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カウボーイ・ビバップの銃を手に – ジェリコ941とグロッグ30

カウボーイ・ビバップといえば菅野よう子作曲の音楽、特徴的な宇宙船、と多くの魅力がある。

そして、小物として銃のチョイスも素晴らしい。スパイク・スビーゲルの「ジェリコ941」、フェイ・ヴァレンタインの「グロッグ30」、ジェット・ブラックの「ワルサーP99」。

まず、ジェット・ブラックのワルサーP99については ワルサーP99 – ワルサー社の現在のハンドガンの主役 を見て欲しい。

これらの銃のモデルガンを探した場合、実はこの中で主役格のスパイク・スビーゲルの愛銃、ジェリコ941が一番手に入れにくい。

みなさんは、この作品以前に、ジェリコなんて名の銃、聞いたことがあるだろうか? 少なくとも私は、この作品で初めて知った。

かのウージー、そしてデザートイーグルを送り出した、イスラエルの有名ガンメーカーが、名銃Cz75をコピーして作った、とか、銃身の交換で、9mmパラベラム・S&W40・41AE弾が撃てるなど、それなりに話題性はあるのだが、いまいちマイナー感はぬぐえまい。

この銃を出していたのは、今は亡きハドソン一社のみ。KSCやマルシンにリクエストするしかない。スタイルは、野生化したCzでとってもかっいいのに・・・。

比較的手に入りやすいのは、ヒロインであるフェイのグロッグ30だろう。もちろん、45口径で、しかもフルサイズのグロッグ17を切り詰めたものは、実はトイガン化されてない。

ただ、その雰囲気にもっとも近いのが、東京マルイのグロッグ26。そしてKSCのG26だ。実銃のグロッグ26は、9mmパラペラムだが、やはりこの小ささ、雰囲気はほとんどグロッグ30に変わりない。

KSCかマルイかと言われれば、断然マルイの方を推す。KSCの方は、細かいディティールにこだわったつくりになっているが、その分価格が高いし、マルイと比べると、耐久性に劣るので、ガンガン撃って遊べない。

あるいは、「銃に一万円近いカネをかけるのはどうも・・・。」と言う方は、エア・コッキングガンに手を出してみたらいかがだろうか?

いちいち、スライドを引かないと撃てないが、アジアンメーカー各社から、1000円台で出ている。
しかし、特におすすめなのが、やはり東京マルイの、『銀ダンピストル』だろう。

というのが、これ、銀玉鉄砲と同じく、ただ引き金を引くだけで弾が出る。
煩わしいコッキング作業から解放されているのだ。

トリガーの引きしろが、少しばかり長く感じるのも、なつかしの銀玉鉄砲を彷彿させてご愛嬌。
また、威力もそうは無い。何せ至近距離で撃っても「あれ? 蚊に刺された? 」みたいな威力しかない。これは専用の銀ダンピストルの弾の効果も多い。 という超軽量の弾なので、わずかな力でもかなり飛距離を稼ぐことができる。

威力がない・・・ということは、裏を返せば、跳弾や誤射によるダメージが少ない。ということ。

本格的なガスガンだと、跳ね返った弾が室内のオブジェを壊して・・・などという事故も十分にあり得る。
しかし、銀ダンのようにローパワーだと、その心配もなく、安心して室内でバンバン撃てる。
加えて、その命中精度の高さ。

まるで魔法にかけられたように、スローな弾がはっきりと糸を引くように、狙ったところピンポイントで吸い込まれるのは、まるでマジック。
とりあえず「それっぽい雰囲気が、手軽に、さらに安価に。」と考えている方。けっこうおすすめです。

しかし、フェイがグロッグを使っている・・・というのは、ある意味似合っている。

「峰不二子並に、女性フェロモンを放っている女性に、無骨なグロッグは似合わない。」眉をひそめ、そうおっしゃられる方もいるかもしれない。
しかし、フェイという女性は、実にずぼらなのだ。稼いだ金は、後先考えずに「馬に貯金する」し、借金取りから臆面もなく逃げる。などなど、コケティッシュな面も彼女の魅力の一つだと思う。

もっともポピュラーなグロックを選んだのも、「みんな持ってるから。」とか「とにかくたくさん撃てて当たればいいのよ。こんなもん。」という、無頓着なセレクトが、いかにも、初回登場時から、いきなりマシンガンをぶっ放す、フェイらしい。

峰不二子だったら、ブローニング1910にワルサーPPK。「銃も女のアクセサリー」という思想が、はっきり見える。その辺の対比も新しいと思う。

また、カウボーイ・ビバップ関連の銃というと、ウエスタン・アームズから出ている「ヴィンセントの銃」がある。

かなり渋いルックスと言動。そして、自分の哲学をはっきりと持っている名悪役・・・。百戦錬磨のスパイクにふさわしい強敵だったのだが、それにしか出演してない。

もともと、コルト45オート系の派生モデルが大得意かつ、メインのラインナップとして誇るウエスタン・アームズ。その一環として作り出した「ヴィンセント・モデル」なのだろうが、かなり地味なモデル。いや、SVIというレースガンそのまんまの形をしているので、あと一つ何かひねりが欲しい。

例えば、同社が出している、映画マイアミ・バイスの「マイアミTiKi」あるいは、ゲームのメタルギアシリーズの「スネーク・マッチ」が派手な外見カスタムをしているのに比べると、見劣りしてしまうように思えるのは私だけだろうか?

というわけで、手軽に手に入るビバップ関連のトイガンを挙げてみた。しかし・・・主人公のスパイクの愛銃が、不遇な待遇を受けているのは実に悲しい。
今後の各メーカーの動きに期待したい。