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ベレッタM92Fを伝説にしたストーリー

外見より中身、男、いや、女ならハートで勝負!

時々耳にする言葉かもしれない。しかし、スタイルがスペックを上回るといったこともままある。その良い例がベレッタM92Fだ。

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ベレッタM92F。イタリアの名門ガンメーカーが生み出した最高傑作のひとつ。その実力は、アメリカ軍が正式採用していることからでも分かるだろう。

ドイツの銘銃。ワルサーP38をモダナイズしたような機構は、命中精度も高い。
ベレッタ・オートの代名詞的デザイン。スライド上部をガッツり削り取ったようなスタイルは、薬莢がつまることを未然に防いでいる。しかし、そのデザインのために、銃自体の強度を危ぶむ声もある。

また、グリップは、同じ多弾数オートであるブローニング・ハイパワーやCZ75のほうが握りやすい。そんなだから、トリガーもがくびきになりがち。

実際に『世界の銃ランキング』では、「あえてランキングから外した」と明言されている。

実際、ベレッタが信用できないから海兵隊は残ったM1911の部品をかき集め、MEUピストルを作った。

しかしそれでも「射撃場専門銃」との声もなんのその。カッコいいのが一番なのだ。オートとは思えない優雅な曲線美。リボルバーに匹敵するグラマー美人だ。

そして、ベレッタM92Fの名を不動のものにした映画。それが『男たちの挽歌』『ダイ・ハード』だろう。

もちろん、そのほかにもM92Fが大暴れする映画もある。
しかし、なぜあえてこの二作に絞るのか。
それが「エポックメイキング」だから。

香港映画の革命、『男たちの挽歌』

元祖二丁拳銃『男たちの挽歌』。それまでもはや西部劇の中でしかお目にかかれない「二丁拳銃」。
もはや骨董品でしかなかった、その曲芸を、しかしジョン・ウーはよみがえらせた。

それを現代オートのブローニング・ハイパワーと、そしてM92Fにシフト。ペキンバー監督の銃撃戦が「デス・バレエ」と呼ばれるごとく、美学漂う撃ち合い。
ダイナミックに演出される銃撃戦は、『リベリオン』そして『マトリックス』そして、『ブラックラグーン』。脈々と受け継がれている。

そして、男たちの挽歌は、香港映画の革命となった。

何せ、それまで「カンフーアクション」。そしてその延長としての体をはった「コメディ」。この二系統しか、見るものがなかったかの世界の印象を一掃した。
「黒社会を舞台とするスタイリッシュ・アクション」というジャンルを切り開いた。

アクション映画の定義を変えた『ダイ・ハード』

また、もう一方で、『ダイ・ハード

アクション映画といえば「スタローン」か「シュワルツネッガー」か。己が肉体さえ「全身これ凶器」な筋肉怪人しか、そのスターにはなり得なかった。

しかし、『ダイ・ハード』は違う。
どこにでもいる普通のおっちゃん。いや、さえない方の部類に入るおっさんが、頭脳プレイで敵を倒していく。
「マッチョじゃなくても頭脳プレイを混ぜればイケる!」
そう考えた「アフター『ダイ・ハード』」。たとえば『スピード』の大ヒットなどを覚えておられる方も多いだろう。
これまた、以前と以後で、アクション映画の定義が変わる金字塔。
それが『ダイ・ハード』だった。
そして、ヒーローの活躍を彩る銃。それがベレッタM92Fだった。

『ダイ・ハード』『男たちの挽歌』モデルのベレッタM92F

もちろんこれも、ベレッタ専門(!?)メーカー。ウェスタンアームズが、伝説の二作にふさわしいベレッタを作っている。
すばり「ダイ・ハード」「男たちの挽歌」と堂々と銘打って発売されている。

これまで培われた機構、マグナ・ブローバックは安定した作動、さらに強いキックを保証する。
しかも、「バトルダメージバージョン」として、あちこち磨れた跡など、「汚し」加工をしている。
これがすごい。使い込んだダメージジーンズがおしゃれになるように、あえて「汚す」ことで、渋さが100倍は増している(当社比)
某リサイクルショップなどで、中古として並べられている「使い込んで汚い」とは違う。
「汚し」にも美学がある。ということを教えてくれる。
双方のファン、そしてM92Fフリークも、持っていて損はない。

ゲーム、そしてSF「ポリスノーツ」のM92F

そして、印象的な使われ方をしていたのが、アドベンチャーゲームの『ポリスノーツ』

この主人公、ジョナサン・イングラムが愛用しているのだが、彼というキャラクターを立たせるために効果的な使われ方をしている。

ちょっと長くなって申し訳ないが。彼の説明をすると、こうだ。

まず、彼は浦島太郎だ。
というのが、物語は2010年に、スペースコロニー「ビヨンド・コースト」を作り、そこに続々と移民。
その平和と秩序を守るため、世界選り抜きの警官(ポリス)を集め、宇宙飛行士(アストロノーツ)に仕立て上げた。
人々は、彼らを畏敬の念をもって、こう呼んだ。
「ポリスノーツ」と。

しかし、そのポリスノーツの一人、ジョナサン・イングラムがバーニア事故で危うく宇宙の果てに流されそうになる。
コールドスリープによる長期間の漂流の末、奇跡的に救助されたが、もはや時は25年間も経っていた。
この不幸なタイムスリップで、家族も財産も失ってしまった。
しかし、彼は、再びビヨンドに降り立つ。
ビヨンドを覆う陰謀を暴くために。そして、自分の過去への鎮魂として。

そして、彼が持っている銃が「ベレッタM92F」なのだが、この設定がいい。
「世界最後のリコイルガン」という立ち位置になっている。
つまり、彼のいる世界では、反動もきつく、現場に空薬莢などという証拠品を残していく「火薬銃」は時代遅れになっている。
そのかわり「無反動銃」リニアリコイルガンが主流になっている。
リアルタイムで最新鋭の拳銃を代表する「M92F」が、「過去の遺物」としてみなされるこの鮮やかな逆転!
これだけではない。ゲームも物語も「センスフル」で統一された逸品。
今でも記憶に残る方もおられる方もいるかも。

知ってるファンには懐かしみながら。そして、知らない人には、ぜひ一度触れてほしい名作。
『カウボーイ・ビバップ』以前にも「ビバップ」は行われていた!

特に、ジョナサン・イングラムは、M92Fの銃身下にレーザーサイトをつけているのが特徴。
で、現在、東京マルイのベレッタ「M9」には、このような装備をつけるためのレールがついている。

これとレーザーサイトを買って、よりなりきって『ポリスノーツ』に没入する。それがストーリーズガジェット的快楽だ。

ついでに、主人公二人の元ネタである『リーサル・ウェポン』もぜひ見てほしい。

これまた、ベレッタM92Fを有名にした大ヒット刑事シリーズ。
派手なドンパチ。カーチェイス。爆弾解体。そして何よりも「刑事魂」を持つ男たちの熱い友情。それを秘めた軽快なトーク。
安心して鑑賞できるデカ映画の王道だ。

おすすめのベレッタM92Fトイガン

閑話休題。「ベレッタM92F作らねばトイガン屋にあらず。」な状況が続いている。
しかし、初心者には、東京マルイの「ガスブローバック」ベレッタを超えるものはないだろう。
命中精度、タフさ。そしてコストパフォーマンスという三拍子そろった抜群さだ。

ともかく、安心して使える。それが中古品であっても、だ。
また、他社のそれが二万、三万するのに対し、新品でも一万円台で買える。

東京マルイ本社がうたっている「すべての技術を注ぎ込んだ」という言葉にふさわしいハイパフォーマンス。非の打ちどころがない。
初心者にも、ベテランにも安心しておすすめできる逸品だ。

しかも、マルイ・ガスブローバックベレッタは、バリエーションが広い。
実銃でも、レール付きの最新フレームがついているベレッタM9A1。
これもモデルアップ!

加えて、なんといっても、大ヒットゲーム『バイオハザード』

それとタイアップした、カスタムベレッタ『サムライ・エッジ』シリーズ。

スタンダードモデル以外にも、「バリー・バードン」モデル、アルバート・W・モデルなど、バリエーションも豊富だ。



撃つ楽しみ以外にも、コレクトする楽しみ、あまつさえコスプレの楽しみさえ満喫させてくれるのが『サムライエッジ』だ!

とりあえず初心者の方に、手放しでお勧めできるのがマルイ・ガスブローバックベレッタM92Fシリーズ。

タフ・命中精度・性能三拍子そろった名銃中の名銃!トイガンのメーカーでさえ、真っ先にお勧めするのが、「マルイのガスブローバックM92F」シリーズだとも聞く。

というわけで、銀幕のスター。ベレッタM92Fに焦点を当ててきたが、いかがだったろうか?
今、それでもポリマーフレームオートがあふれ、メディアに出てくるガンもそれに押されがち。
しかし、時を経てそれが「貫禄」を感じさせる銃といえば、ベレッタM92Fが真っ先に上がるだろう。
少しばかり「オッサン銃」で渋みを増したベレッタ。
それを片手に、80年後半の名作に浸るというのも、いいのではないだろうか。