ザ「アンチマテリアルライフル」バレットM82
バレットM82。
映画『ロボコップ』のクライマックス近くで、彼に大ダメージを与えたのを初出として、「もうこれがアンチマテリアルライフルの代名詞」と言われんがばかりに、銀幕に姿を現している。
実際にアメリカ空軍が採用。それに倣うように、他の国々からも、引っ張りだこの銃だ。
そもそも「アンチマテリアル」=対物ライフル、などというマニアックなものが、幅広くしられるようになったのは、本銃のおかげではないのだろうか?
「対戦車ライフルのずば抜けた射程距離をいかせないだろうか?」というコンセプトで、まさに現代によみがえった対戦車ライフル。それがアンチマテリアルライフルなのだから。
例えば地雷を狙い打って爆発処理を行う。
例えば、相手の得物の射程距離外から精密に狙い撃つ。
いささか、マニアックなカテゴリに入るが、本銃が現代の戦場に「対物ライフル」のカテゴリ概念が生まれたといっていい。
2005年にアメリカ軍自ら「アメリカ歴史上最も偉大な10の発明」(兵器に関する)としたことが、その優秀性を物語るだろう。
特に、発射後に次弾が装填されるセミ・オートマチックなこと。
使用される弾薬に汎用性があること、が、その人気の一因となっていることもあるだろう。
使用弾薬は、.50BMG弾というものを使っているが、これまた、アメリカ軍公式装備で「重機関銃」のアイコン、ブローニングM2と共通の弾を使っている。
だから、手に入りやすい。
もともと、ブローニングM2というのは、重機関銃でありながら、その強力なパワーによる飛距離を生かした狙撃に使われることもあり、「アンチマテリアル」ライフルの弾丸になるべくしてなった、という感じである。
また、本銃は、『エクスペンダブルズ2』
『ランボー 最後の戦場』
『ザ・シューター/極大射程』
など、ミリタリー映画はもちろん、『ターミネーター:新起動/ジェニシス』
など、ジャンルを超えて続々出演している。
インパクトのある巨大さと、SF風の「いかにも」な直線で構成されたシャープなスタイルは、忘れられない印象を残す。銀幕はもちろん、ゲーム、ライトノベル。この銃が出ていない作品を探す方が難しい。というのは言いすぎだが、目を凝らしてみると、かなり出演回数も多い!
1990年前後には幼年マンガ雑誌、『コロコロコミック』にて『リトルコップ』という作品にまで出てきた。
主人公の矢車弾が、これでヘリを撃墜!
時期から考えると『ロボコップ』でM82が出てきた1年後ぐらいだろうか。この作品はガンアクションの気合の入りっぷりも印象深い。
その人気を受け、様々なメーカーが、バレットをリリースしている。
現在では、スノウウルフ社のものが有名だ。しかも、エアコッキング、電動と二種類がラインナップされている。
SNOW WOLF (スノーウルフ) バレット M82A1 各種 刻印 モデル エアコッキングバージョン(SW-024A)
SNOW WOLF バレットM82A1 (対物ライフル) 電動ガン スコープセット BARRETT FIREARMS ライセンス刻印ver
また、7kgある重さは、ほとんどのパーツがが金属製ということもあり、かなり「実銃感」がある。特に、「フルオートで弾を吐き出す」バレットは、スノウウルフ電動ガンバージョンならでは。
これを「一発にロマンという魂を賭ける」スナイパーライフルとして眉をひそめるか、「まさに夢あふれる最後兵器」ともろ手あげて受け止めるか。今バレットM82のエアソフトガンを手に入れたいならこれ以外の選択肢はない。
まさに、バレットM82決定版、といいたいところだが、ちょっと性能に難がある物に当たる可能性も否めない。
トイガンを自分でいじって調整できる腕があるか、信頼できる店のチューニングを受けたものを買うか。買う前にしっかりと実物チェックはしておきたい。
何せ、エアコッキングでも4万越え、電動なら8万越えの製品なのだから。
しかし、「価格が高すぎる!」といった方のために、実は魅力的なものもある。
ギャラクシーのバレットM82がそれだ。
正式名称『Galaxy BARETT M82A1 エアコッキング スポーツライン BK[GAG31A]』
という名称なこれ。その最大の特徴は、片手で取り廻せる軽さ、が挙げられるだろう。
対物ライフルはでかい!故に重い!同じことが、トイガンにものしかかる。手元のフルメタルのアンチマテリアルライフルは、8キロ近くあったりする。これを片手で楽々と振り回せるのは、もうシュワちゃんかスタローン先生しかいないだろう。
しかし、樹脂を豊富に使ったこれは、見事に軽量化に成功!
と言っても、「いかにもプラ製だなぁ」というおもちゃおもちゃした軽さでなく、AKやM16シリーズ並みのほどほどに「ズシリ」とくる存在感ある重みだ。
ディティールに甘いところもあるし、セミオートではなく、装填はいちいち手動なエアコッキング式。
しかし、比較的安価なわりに、頑張って再現している。
手元にあるのがこちら。
バイポットがないのは中古品だったもので外されていたようだが、新品はちゃんとついているはずだ。
弁当箱のようなマガジンはプラスチック製、軽量化に一役買っている。
個体差はあるかもしれないが、三発以上BB弾を入れて初めて弾が発射できた。マガジンの給弾のかさ上げの為に、どうも三発分いるらしい。最後の弾丸を打ち切りマガジンを出すと、ぽろぽろと三発がこぼれ出る。ここら辺、いかにも大雑把な外国製品らしいとこだ。試し打ち時には注意していただきたい。
と、ちょっと癖のある性能なのだが、この価格でこのディティールは買いだ。そのディテールに見合わない重量故に「あの巨砲を軽々と取りまわしている」感は半端ない。あまり見かけることはないが、スノウウルフより少々お手軽でこっちは2万程度。
パレットM82という「アンチマテリアル」な雰囲気、是非味わっていただきたい。