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「バリストールユニバーサルオイル」ワンランク上のガンメンテナンス

発火を楽しむ。精巧なメカニズムを味わう。
モデルガンの楽しみは、多数挙げられるだろうけど、意外なところで「メンテナンスをする楽しみ」を上げる方もおられるだろう。

古今東西、『拳銃稼業』を描いた物語には、必ず銃を分解して掃除するシーンが出てくる。
大藪春彦の小説群。読んでいるだけでマシン油で手が真っ黒になりそうな描写をはじめとして。
イブ・モンタン主演、『真夜中の刑事』では、主人公の愛銃、パイソン357の分解シーンから始まるのも、ガンアクション映画史、忘れられない名シーン。

あるいは、漫画『シティーハンター』でも、頻繁に銃のクリーニングシーンが出てきて、それが日常会話というシチュエーションに溶け込んでいる。そう、「心はいつもガンスリンガー」なら、愛銃の手入れは、ただ「掃除」になっているわけがない。
それは、飯を食う。呼吸する。などと同じく、日常の風景と化してなければいけない。
まるで音楽や映画を鑑賞するように、分解しながら、部品の構成の妙を、愛銃の美しさを再認識する。クリーニングは儀式であり日常であり、そして「快楽」だ。

そして、せっかくのひと時。ほんの少し贅沢を、歴史のあるオイルで味わってみるのも良いだろう。
ユニバーサルオイル『バリストール』、今回ご紹介する逸品だ。


バリストールは、ドイツが誇る!?な潤滑油。銃器のクリーニングに使うためのオイル。
しかし、これがものすごい。
略歴を見る。このオイルが生まれたのは、1874年。
日本なんかまだ明治の7年、ドイツがまだ「帝国」だったころまでさかのぼる。

ドイツ帝国陸軍は、軍用潤滑油を探していた。
しかも、機械用のオイルだけではなく、これ一つで革製品、木製ストックまで保護し、あまつさえ、戦闘で負傷したケガの手当てにまで使えるオイルを探していた。

まるでドラえもんの道具のように多機能すぎる魔法の品だが、そこは「ドイツ技術は…」な国。
ヘルムート・クレーバーという方が、これを開発。『バリストール』と名付けた。
その多機能さに目を見張った軍は、これを採用。
その実力の高さは、第二次世界大戦後に再復活。現在でも銃砲のお手入れ、ピアノの潤滑油をはじめとするメンテナンス用品として使われていることでもうかがえる。
「ユニバーサル」オイルの名は伊達ではない。さすがは「オイル界のメルセデスベンツ」だ。

実際、トイガン好き。特にモデルガン好きなら悩むことの多い鉄部粉の錆び。
奴らは油断して放置していると、必ず浮いて出てくる。
加えて厄介なのは、木製品の汚れ。
プラスチックなら、その輝きはメンテナンスフリーでも結構持つ。
しかし、これが木製グリップやらストックなら、結構デリケートで、何もしていないとあっという間にその輝きは失われてしまう。
その悩みを解決せんと試しに使ってみた。

結果、これがなかなかいいんである。
発火し終わったカートリッジには、これを混ぜた水で洗浄。おかげで、ウチのカートリッジは、今のところ新品同様の輝きを保っている。
また、部品同士の固かったところ。普通のオイルを入れても抵抗が残っていたのが、なかなか快調に回ってくれるのには驚いた。
銃口の手入れもこれ。プラの部分であるプラスチックをダメにするかな? と恐る恐る使い始めてみたが、別にそんなこともなく、きれいにふき取ってくれる。
特筆すべきは木の部分。毎回これを少量つけて手入れしているせいか、なかなかきれいなまま保ってくれている。
まさに木から鉄まで、これ一本で対応する、まさに「ユニバーサル」=万能オイルだ。

独特のにおいも、慣れてしまえば「舶来もの」の高級感さえ醸し出していると思えてしまう。
ちょっと値段が割高なのだけど、それだけの信用はあるオイルなのは、間違いなさそうだ。

バリストールオイルの詳しい情報は、ドイツ製品を販売されているこちらで見ていただくのが良いだろう。

Kokoroberlin.com

バリストールだけではなく、ナイフもメインに扱っている。ガンマニア的には、ラインナップにワルサー社製のナイフがあるのもツボだ。トイガン好きだけではなく、興味を持たれた方はぜひ。
意外な掘り出し物があるかもしれない。