女神の名前は伊達じゃない!ミニ・へカートとへカートⅡ
大口径ライフル。
それは、男のロマン。
「対物」つまり「ヘリ」や「戦車」に対しては、バズーカや、ロケットランチャー全盛なこの世の中で、いかにも細身の「ライフル」で立ち向かおうという浪漫!
もちろん、一撃必殺。外すと死が待つ。
このへん、次元大介・シティハンター。
六連発のロマンに通じる!
というわけで、今回は、「対物ライフル」というにはすこしばかり小さい? だけど、大口径なのは変わりない。ミニ・へカートについて書こう。
その前に、ミニ・へカートのフルサイズバージョン(?)本家、へカートⅡについて説明しよう。
へカートⅡ、というのは、フランス生まれの、12.7mm口径の大型ライフル。
開発、販売はPGMプレシジョン社。かの会社が製造している「ウルティマラティオ」シリーズの一つ。
「アンチマテリアルライフルと言えばこれ」な「バレット」がオート方式をとっている。
対して、へカートⅡはボルトアクション方式。
自動装填よりも、確実な手動装填を採用しているところに、プロの魂を感じる。
シンプルなスタイルをすっきりとまとめ上げたボディに、特徴的なマズル・ブレーキを積んだ、戦車の砲塔のように頼もしいバレルが映える。しかも、ネーミングが「へカート」。
ギリシャ神話の「無敵の女神」!
この感覚が、いかにもフランス的。
対物ライフルのカテゴリに分類されるので、約2kmも有効射程がある。
それだけお値段も張る、高級ライフルではあるけども、まさに「ウルティマラティオ」=「最後の切り札」にふさわしい!
フランス陸軍も採用。アフガニスタンでも活躍したバトル・プルーフが優秀性を保証している。
しかし、「アンチマテリアルライフル」というマニアックなカテゴリで、どうして「へカート」というブツがピックアップされたか?
それは、『ソードアートオンライン』という作品のヒロインの一人、シノンが使っているからではないだろうか。
フィギュア化された際にも、へカートⅡまで立体化されたくらい、彼女のトレードマーク。
長距離からの狙撃はもちろん、飛び降りながらの狙撃。
いかにも、物理法則から解放されたガンアクションとともに、これをあやつる姿は「次元のマグナム」のごとし。
彼女の人気とともに、へカートⅡという特殊なライフルも注目されたというわけだろう。
実際に、ハンドメイドでこの銃を作ってしまった方もおられる。
しかし、残念なことに、へカートをモデルアップしたエアガンは無い。
ただ、15cmほど縮小、口径も.388ラプア弾に少しダウンした「ミニ・へカート」をモデルアップしたものが、海外メーカーである香港のS&T社から出ている。
ミニ・へカートは、ものすごくへカートⅡに酷似している。
口径は小さくなったとはいえ.388ラプア「マグナム」
長距離ハンティングに引っ張りだこのハイパワー弾丸。
アメリカ・イギリス・その他たくさんの法執行機関が採用していることからも、その実力はわかるというもの。
1m以上の破格の大きさ、重さを支える標準装備のパイポッド。
折り畳み式のストックは、微調整が可能。おまけにモノポッドさえついてくる。
特徴的なマズルブレーキのついた、戦車砲のようなバレルが、大口径ライフルの雰囲気を嫌がおうにも盛り上げる。
薬莢こそ出ないけど、ボルトアクションはガス式で、引きが軽い。
しかも、ワンタッチでボルトは外せる。
メンテナンスの際に助かる。
このように忠実に再現されているミニ・へカート。
弱点は「重い!」
1m越えの、メタルボディは、いかにも「実銃」感あふれている。
だけど、6800グラムの重さ!
片手で扱うのは、シュワちゃんかスタローン並みの筋力がいる。
ボルトを外すなどの、メンテナンスだけでも、この銃を持ち上げたり支えたり、体力がいくらあっても足りない。
加えて、海外製の泣き所として、安定した完璧な作動をするものに仕上げるには、こっちでいじってやる必要がある。
人を選ぶ銃。
万人にもろ手をあげてお勧めできるものではない。
しかし、いかにも「アンチマテリアルライフル」然とした、武骨で力づよいスタイルは、心に響く。
もしも、財布に余裕があり「デカさは正義!」と考えている方には、唯一無二のモデルアップ。
その「味」は保証する!
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