トライガン『ヴァッシュの銃』-「ヒーロー」銃、ウォーターガンでついに登場

『SF』+『ウエスタン』

語感からして、レトロフューチャーなこのガジェット。古くから『コブラ』、松本零士のSF短編群。ひょっとすると、今快調にヒットを飛ばしている『ハン・ソロ』。
なんのしがらみもない、アウトローが、「自由」のために立ちあがる。
これこそは、数々のウエスタン・ヒーローたる行動原理。

「ホースオペラ」が「ウマが出てくる」西部劇ならば、馬の代わりに「宇宙船」が出てくる「スペースオペラ」という名にふさわしい。
かように、その命脈を消さないSFウエスタン。
トライガン』(内藤泰弘/少年画報社)も、ジャパニーズSFウエスタンを代表する作品であることは、異論はないと思われる。

アニメ版、原作版。そして劇場版と、様々な展開がリリースされているが、主人公が「強いくせに」極端なヘタレに見える、その矛盾した個性にがっちりハートをキャッチされた方も多いだろう。

そして、もう一つ。彼と言えばこれだ。『ヴァッシュの銃』。

競技用PPCカスタムのように太っといバレルには、パイソンのように、冷却用の溝が。ノンフルートのシリンダー。しかも、中折れ式などと言う古式ゆかしいものを採用しているので、当然外観はごっつくなる。

しかし、それでも、まるで優雅な大型肉食獣のような流麗なラインで形どられるフォルムに一目ぼれした方も多いだろう。
特に、シリンダーからグリップにかけて流れるラインは、女性のヒップラインを思わせるふくよかな曲線でできていて、官能的ですらある。

今現実にある銃。どのリボルバーとも似ていない、唯一無二の銃。

なんといっても「ヴァッシュの銃」。「ザ・シックス」とか「〇〇マグナム」などというこざかしい名前などついてない。

ここら辺の無銘の渋さ。どんなに時を経ても、SFアニメ映画の金字塔「AKIRA」。主人公のバイクが『金田のバイク』で統一されているのと同じ誇り高き香りを感じる。
まさにヒーローにふさわしい一丁だ。

しかし、これを手に入れるとなると、大変な苦労が必要だった。

まずはお値段。

このようなニッチなネタを、前向きに発売してくれるトイガンメーカーなどは無く、作られるのは、ほぼガレージキット。

つまり、個人作成のワンオフ品に近い。と、なるとお値段が貼ってくる。
2万3万あたりまえ。気合入れたやつで10万ぐらいか。しかも、そこまで払っても「発射機構がない」

もちろん「発火機構」なんてなく、基本「無可動」。「動いても中折れ式ギミックだけ」

大量生産では無いゆえの価格。しかし、これに大枚叩くには勇気が必要だ。くわえて、「ガレージキット」なら、自分で組み立てねばならない。

組み合わせたときのゆがみ、バリなんかを自分で修正。
さらには、「塗装」さえ自分で、となると、おそらくこの辺で「無理だ!」とあきらめる方もいる方もおられたのでは?
さらさらには、ガスガンやモデルガンを組み込み、限りなく再現度が高いものまでリリースされていたが、それにしたって、「ノーマルのリボルバーを、中折れ式のために分割する」という作業が序の口で控えている。

この、組み立ての難易度の高さも、ヴァッシュの銃を雲の上に押し上げた一因だろう。しかし、それらをクリアするモノがやっと2018年になってリリースされた。
FULLCOCKのウォーターガン。『ヴァッシュの銃』だ。

「水鉄砲」と言って、侮るなかれ。何せ、あの『ブレードランナー』の代名詞主人公が使う銃『デッカードブラスター』を、水鉄砲『爆水拳銃』としてリリース。

ネジ一本まで(モールドだけど)再現されたその完成度。加えてそのリーズナブルさに、ファンが先をこぞって買い求めたという伝説を作った会社が監修している。

そして、今回発売された『ヴァッシュの銃』も、前作に恥じないクオリティを保っている。

特徴的な大型マズル・ノンフルートの力強いシリンダー。ブレイク・オープンレバーから、ネジの一本まで、気合が入った造形。知らない人が見たら「これってフルに稼働するんじゃない!?」という作り込み具合。
さらに、水鉄砲としての機能までついて、2000円強で買えてしまうんだから、ありがたい話だ。

何度も言うが、ガレージキットなら、無可動モデル、かつ難易度の高い組み立て作業が待っている。同じ「動かない」モデルだが、買った状態で引き金が引けて弾まで出る。こちらで楽しむのもありだ。

カラーは、主人公の愛銃のイメージそのままの銀色。そして、「銃」ならこの色「半透明な黒」。おまけに「水鉄砲らしい」クリアスケルトンつまり「透明」
そして、個性的なあなたに!?「クリアレッド」まである。また、別売りで「グリップセット」が付いてくるのもウレしい。

これも、象牙風の白、ラバーグリップ風の黒。高級感あふれる木製風の赤とオレンジが付いている。これで、塗装をして、さらにグリップを付け替えることによって、自分好みの愛銃に仕立てることができる!

中折れ式に、マテバと同じく銃身が下にある、という、完全に「実戦って何ソレ?」的な銃だ。しかし、「実戦で使えるスペック」というものを切り捨てて「ただ、かっこいい」こと。それ一点にまとめられた銃は、文句なしにヒーローの手に握られるのにふさわしい。
前作の「爆水拳銃」同様、あっという間に売り切れ必至が予想される。

手に入れるなら、今のうちだ。