ベレッタの革命!?異端!? ベレッタM8000シリーズ

ベレッタ、と言えば、皆さん何を思い出すだろうか?真っ先に上るのは、やはり流麗なデザインだろう。


ふくよかな女性を思い起こさせるデザインは、唯一無二。さすがイタリア産! フェラーリに匹敵する美しさ。

しかし、その美しさを支えているのは、やはり独特のスライドだろう。銃身がむき出しで、スライドがそれを優雅に包み込む。

上方がパックリ開いたスライドは、他の銃では類を見ない色気に溢れている。

そして、ベレッタM1934から、ベレッタM9まで、それはベレッタのトレード・マークになっていた。

しかし、現在、最新式のベレッタは、それを潔く切り捨てている。そのターニングポイントとなった銃が、M8000だ。

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過去のベレッタの欠点

まず、ベレッタには軍用銃として致命的な欠陥があるのはご存知だろうか。
スライドの耐久性だ。

オープンカーが、その開放性と引換に、剛性を失っているのと同じ。上がざっくり開いたスライドは、排莢不良が起きにくい反面、耐久性を犠牲にしている。

ワルサーP38のメカニズムを参考にしたM9は、命中精度もP38並に評判がいい。

コルト45オートや、ブローニング・ハイパワーなどの代表的なオートマチックは、スライドが後退する際に、メカニズム上バレルが上がって、バレルとスライドの結合を解く。

しかし、その度に銃身がぶれるので、命中精度上にはよろしくない影響を及ぼす。

翻って、ワルサーP38。その命脈を受け継ぐM9は、スライドが後退しても、水平を保ったままだ。これがベレッタM9の利点の一つ。

ベレッタM9の高い命中精度をそのままに、耐久力をアップさせたい。そんな理想から生まれたのが、ベレッタM8000シリーズだ。

ローテティング・ロッキング・バレル

ローテティング・ロッキング・バレルという独特の仕組み。

バレルが回転してスライドとの連携を解く本システムは、バレルが上下にぶれることもない。また、比較的コンパクトな銃が作れる。

それを生かして、出来上がったのが、ベレッタM8000シリーズ。

後継機種として、ベレッタPx4 というポリマーフレームオートがある。

こいつが、ずんぐりとしたコンパクトデザイン、そして、独特のロータリーバレルを受け継いだことからも、M8000シリーズの優秀さが分かる。

とは言ったものの、これまでのベレッタとはかけ離れたイメージになっている。

特に、ベレッタはあの独特のスライド、そしてバレルが本体!と主張してやまない人にとっては、違和感ありなデザインになっているかもしれない。

要するに、普通の銃のデザインになっている。

うまいことイタリアンデザインで、流麗なベレッタらしさはあるけど、「おしゃれなコンパクト・オート」以上の、強い印象を持ち難くなっている。

実際に、銀幕にちょこちょこと出ているのだが、M92のような「Theベレッタ」のようなインパクトはない。地味な印象を受ける。

パッと思い出せるのが、ゲーム『ハウス・オブ・ザ・デッド2』

『バイオハザード・ガンサバイバー』ぐらいか。

とは言ったものの、曲線美を最大に生かした、リボルバーのような美しさはやはりベレッタ!

キチンと、トイガン化されているのが密かな人気の証。しかも、東京マルイ・KSC・ウエスタンアームズという、今をときめく三大メーカーによってだ。

トイガンのベレッタM8000

マルイのは、コッキング式エアソフトガンでM8000。

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本体内部のバネをいちいちコッキングしなければならないけど、逆に言えば、ガスを使わない分だけ、コストパフォーマンスに優れ、気温の変化も影響を受け難い。

伝説のマルイ1900円シリーズの血統を受け継ぐものなので、命中精度も折り紙つき。もちろん、機関部もできるだけ再現してある。

一番の特徴である、ロータリーバレルもちゃんと作動。スライドを引くと、ちゃんとバレルも連動するのが心憎い。

一番コストパフォーマンスに優れたものが、これではないのだろうか?

KSC製品は、M8000をガスブローバックで表現。

「動くモデルガン」トイガン界のタミヤ模型なKSCが作り上げただけに、再現度も申し分ない。少しずつバージョンアップされているところも、愛が感じられる。

しかし、反動の強さとなると、やっぱりマグナ・ブローバックを採用しているウエスタンアームズが一番だろう。45口径を採用した、M8045をモデルアップしている。

この反動のきつさは、病みつきになること請け合いだ。

各社ごとに特徴がある本銃

マイナーだけども、こういう銃がちゃんとラインナップされているところが嬉しい。しかも、各社ごとに気合が入っている。

ポリマーフレームオートのように近未来的ではないけど、なんとなくレトロクラシカルなSFガンのようなこの銃。機会があれば是非手にしていただきたい。