『ルパン三世』を彩る名優。『ルガーP08』

ルパンと言えば、「ワルサーP38」

TVシリーズの主題歌にまで織り込まれ、ルパン三世の生誕30周年記念に作られたTVスペシャルさえ『ワルサーP38』というタイトル。

しかし、同時に、ルパン作品と言えば、ルガーP08の印象も強い。

ルガーP08とは

ルガーP08。オートマチックの元祖と言えるべきものだ。

これがなければ、そもそも、「実用性に耐える」「片手で扱える」ハンドガンというカテゴリが生まれなかった名銃。

今はすっかり基本的な弾薬である「9mmパラベラム弾」も、別名「9mmルガー」。つまり、この銃が無かったら、今大多数のオートマチック拳銃が使っている9mm弾も無かった。

もちろん、ルパンの愛銃P38と比べ、年代物だから、シングルアクション。そして最大の特徴。フレームの後部にあって、尺取虫のように薬莢をはじき出すトグルアクション。これは撃つたびに、射手の視点を遮って、撃ちやすいとは決して言えない。

多すぎる部品数は、砂やホコリに弱い。ブローニング・ハイパワーがマガジン閉じて銃口をテープでふさげば、防塵対策は完璧なのと対照的だ。

しかし、スラリと伸びたむき出しのバレルに超絶似合う、細身でメカメカしいフレーム。レトロSFさえ思い起こさせるそのデザイン。

「ドイツ銃器は魔力を持つ」というが、その魅了の魔法が十二分に詰め込まれた銃だ。

ルパン三世に登場するルガーP08

ワルサーP38と、ルガーP08。

知らない人がルパンの手に握られていても、「ああ、ワルサーP38だ」と勘違いしてもおかしくない。

それほど雰囲気が似ているルガーP08。しかし、ルパンが選んだのは、ワルサーP38だった。

近代ダブルアクションオートの必要最低限なモノを詰め込んだ、当時としては最新鋭の銃が欲しかったのだろうか?

だけど、『ルパン三世』には、結構ルガーP08が出てくる。

例えば、ファーストシリーズの『殺し屋はブルースを歌う』

不二子の元恋人だった殺し屋、プーンがこれを使っていた。ハードボイルドだが、切ない悲恋を迎える彼。

純粋な戦闘マシーンとして、エレガントなP08が、その愛の逃避行を彩った。「裏切りは女のアクセサリー」なら「拳銃は男のアクセサリー」かもしれない。

あるいは映画、『カリオストロの城』で、TVレポーターに扮した不二子が、襲いかかる敵に発砲した際に使われたのは、中型拳銃じゃなくて、本格的な戦闘用大型拳銃のこれだった。

そして、実は「ルガーP08」というと、次元大介だったりする。

というのが、『峰不二子と言う女』というOVA第二話、『.357マグナム』にて、マグナムを愛用する以前の次元の腰に吊られていたのがこれ。

さらには、漫画版で、深山雪男が描く次元も、実はこれを使っていた。

というのが、ルパンが次元の分身とも言えるマグナムを盗んじゃったから。しかも、ルパンの魔の手は、五右衛門の斬鉄剣にまで及び……。

中身も気になるけど、それにしても一昔どころかふた昔前の銃。不二子にさえ「古い銃ねー」と揶揄されている。

しかも、リボルバーでなくてオートマチックだけど、それでも鮮やかな早撃ちは健在!

やはり、クラシカルな色気さえ漂う男には、コルト45オートもいいけど、ルガーP08のような骨董品がよく似合う。なにせ、「男のダンディズム世界一」フィリップ・マーローも使っていた!

そもそも、原作でルパンが持つ銃も、細身のスライドと、むき出しのバレルで、なんとなくルガーP08のイメージが近い。

ひょっとすると、ルパンの手に抱かれたものはP08かもしれない、と妄想がたくましく羽ばたく!

トイガンのルガーP08

ここまで来ると、手元にルガーP08を置いておきたくなるだろう。

今手に入るものは、モデルガンならマルシン。金属製なので、手にひやりと、そしてずっしりくる重みが、本物の迫力を伝えてくる。


ブローバックガスガンなら、タナカが生産している。
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逆に言えば、国産なら、タナカしか選択肢がない。

マルイの1900円シリーズの伝説を作った、エアコッキングのルガーも、すっかり姿を消した。これも時代の流れか。

しかし、タナカのものは、まさにガスブローバック決定版としかいいようがなく、フォルム・刻印はモデルガンレベル。作動もウェスタン・アームズのマグナを組み込んでいるので、快調に作動。

バリエーションとしても、6インチ、8インチ。そしてマニュアルセフティが組み込まれているP06もモデルアップしているのだから、ユーザーにも確かな満足が得られる。

もっとも、マガジンが薄いので冷えに弱い。サイトは銃砲史初期のものなので狙いにくい。今の最新のエアガンと比べては、劣るところもある。

しかし、一発打つたびに心地よい反動を残しながら、尺取虫運動をするトグルジョイントは感動もの。特に、エアソフトガン化は、この「トグルジョイント」がネック。

一昔前は、現在のベレッタやグロッグと同じように、エアコッキング化される定番がP08だった。

しかし、いかに強化樹脂とは言え、複雑なトグルジョイントは繊細で、すぐに壊れてしまった。ましてや「初弾を薬室に送り込んで、撃鉄をコックしないと撃てない」実銃と同じプロセスを経て撃てる「ガスガン」なんて、夢のまた夢。

すっかり、P08もクラシカルなガンとして、もうモデルアップするメーカーもない時期になって、タナカがやってくれた!刻印を変えたり、メッキをされたりして、再生産が続いているところを見ると、日本にも「ルガークレイジー」が少なくないと思い知らされる。

妄想の中で、いや「ルパン」世代なら是非とも持っていて欲しい。「時代」を代表するトイガンだ。

ただ、買う場合に、とくに中古で探す場合は「マグナが装備」されているものをゲットしよう。最初期番には、かのシステムが積み込まれていない。性能が雲泥の差がある。ご注意を。


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