新しい年を懐かしいゲームで – その1 『サムライスピリッツカレンダー』
さて。最近のゲーム雑誌、ネット、はてはテレビCMでバンバン「ゲーム」が宣伝されている。
しかし・・・なんか「疲れね?」私なんか、毎月毎月紙面をにぎやかにする・・・。毎月発売される「ゲーム」には、ついていけない。
確かに、紙面、ネットに花が添える、「萌えっ子」や「イケメン」が増えるのはいいんだけど、あまりにも過剰だと、目がくらくらして疲れ目につらい。
ここはどっしり、昔の「懐かしいゲーム」。そう、時間にも何にも縛られず、どっかりと腰を据えて熱狂したゲーム。そう、ちっちゃなモニターの向こうに、「確実に世界があり、そしてその世界にどっぷりはまれた」思い出のゲームに浸ろうではないかね。「カレンダー」で。
そう、年末だから、そろそろ2015年度のカレンダーも欲しくないかね?
少しばかり強引な導入ですまない。だけど、壁にある、あるいは卓上のカレンダーを見ながら、毎月、あのころにタイムスリップできる・・・。ていうのも、オツではないかな?年末だしね。
というわけで、「むむっ!これは!」と思った、気合の入ったレトロゲームのカレンダーを紹介してみよう。
今回紹介するゲームは、ゲームが一番熱かったころの、90年代のゲームのカレンダー。まず初めに、『サムライスピリッツ』シリーズから。
『サムライスピリッツ』、略称『サムスピ』タイトルを聞いただけで、いまだに血が騒ぐ方も多いと思われる。何せ、現在も最新作『サムライスピリッツ 天下一剣客伝』などが作られ、パチンコにまでその活躍の幅を増やしているゲームだ。中身は、説明不要の切るか、切られるかの真剣勝負な、剣劇格闘ゲームなのだが、登場した当時は、度胆を抜かれたファンも多いかと思う。格闘ゲームの爽快さは、「殴った」「蹴った」という打撃感・・・。つまり、「相手がダメージを受けている、痛そうだ」というエフェクトも大いに貢献していると思う。
しかし、サムスピ以前の格闘ゲームは、偉大なる始祖、カプコンの『ストリートファイター』シリーズに 右へならべしたように、拳で殴り合うのがお約束だった。そこへ、和風テイストを・・・そして、剣劇テイストを入れてみたらどうか?
「人を殴ってみたい」という、リアルではタブーな境界をいとも簡単に超えてくれる格闘ゲーム。となると、「銃をぶっ放してみてぇ!」「とにかく人を切ってみてぇ!」などど、いう、オトコノコ・・・いや人ならだれでも持っている衝動がエスカレートしていくのは、同然のことではないか?
さらに、日本人のお茶の間にあふれかえっているTVを、いまだに賑やかしているのは?子どもたちが新聞を丸めて、さっそくやることは?そう、日本人のDNAレベルまで刷り込まれてる・・・サムライの国の子だったら、生きてるうちに一回はやりたい「チャンバラ」を再現したのだ。
火花散らす、つばぜり合い。派手に飛び散る血しぶき。そして、バケモノだろうが渋い中年だろうが、可憐な年端もいかない少女でさえ、負ければなんの躊躇もなく「真っ二つ」になるエフェクト!これはまさに、黒沢映画から見られるチャンバラ残酷描写の伝統を引き継いでる!そして、お侍さんというテイストにこだわらず、和風・・・時代劇に枠を広げた豊富で個性豊かなキャラクター。
忍者はもちろん、中国武将!西洋の騎士・・・しかも女! 妖怪変化。歌舞伎役者、そしてアイヌの巫女「ナコルル。」そう、サムスピの野心的な挑戦は、ナコルルでもあったのではないだろうか?アイヌという神秘的な部族のキャラクターは、始めてだったし、何よりも彼女は、他のゲームの格闘女性キャラクターと一線を画していた。
他のゲームが「男はあたしの靴でも舐めてろ。」といわんばかりの、むちむちな女王様キャラクターだったのに対し、ナコルルは「闘うのはいや。みんな仲良く」という清楚な・・・。そして、露出も少ない華奢な少女・・・。まさに巫女にふさわしい・・・という、これまでの女性キャラクターとは180度性格が違うキャラを出してきたのだ。肉食系女子ばかりが目立つ格闘ゲーム界の中、そんな草食系では生き残れない! しかし、プレイヤーの心配を超えて、ナコルルは押しも押されもしない格闘ゲーム界のアイドルとなった。
切られて血しぶきを上げまくるのはもちろん、大男のガチムキなケツが腹に直撃する!バケモノの爪が全力で腹に突き刺さる!歌舞伎剣士の髪が激しい締め上げ攻撃が炸裂する!そして、負ければやっぱり真っ二つ!という容赦ない男性キャラ用のごとき残虐描写も、ナコルルは進んで受け入れた!ガチムキの剣士と平等な、容赦ないやられっぷりの嵐が、かえって彼女の健気さ、芯の強さ、そして、悪しきものを滅ぼすという使命の悲壮さを盛り上げる形になったのだった。
という感じで、今までにない冒険的な新要素を詰め込んだ『サムライスピリッツ』は、2D武器格闘ゲームの金字塔となったのは、皆様よくご存じだろう。今でも、地方のゲーセンに初代サムスピがあったら、100円玉を突っ込みたくなる方、そして、自分のゲームソフトの棚に、サムスピのソフトがさりげなく残ってる方もたくさんおられると思う。
しかし、社会人、大人になった今、なんとなくゲームってのも・・・。時間もないし・・・。と思ってる方。卓上サイズの『サムライスピリッツ』カレンダーで、魂を燃やしたあの真剣勝負を思い起こす、というのはどうだろうか。そもそも、もはやだんだんとサムスピも、だんだんと過去のものになりつつある。
発売当時、「サムスピ扱わずは漫画にあらず」というくらい、本屋の棚を占領していたサムスピのギャグ、シリアスマンガ、小説はどこへ行った!?もはや、『天下一剣客伝』『零』の攻略本さえ、お目にかかることが少ない。最新作の『閃』では、もはや攻略はネットに頼る方が多いだろう。
今回紹介するのは、やはり、トヲコという方がお送りする、同人ものだけど、やはり、このクオリティでここまでやるからには、企業では、やはり「採算」を真っ先に考えざるを得ないゆえに、できづらい。「好きなことを好きなだけやれる」同人モノではないとできないと思う。それに、自分が大好きだった作品が、やはりこういう形で再び新しい命を吹き込まれているのを見ると、ファンとして何よりも安らぎを覚えるではないか!
今回ご紹介するカレンダーは、新しいとこでは「黒河内夢路」。そして、古いところでは、なんと旧衣装での「千両狂死郎」+「ミヅキ(阿国)」という、なんともツボを押さえたものを出しているところがにくい。もちろん、覇王丸やナコルル、そして右京という定番キャラもばっちり!で、女の子はもちろんなのだが、特筆したいのは、男性陣の色気!例えば、歌舞伎・・・特に女形が醸し出す、男とも女とも・・・いや、そんなものを超えた色気を感じられる方もいるだろう。
トヲコ氏の繊細なタッチで描かれる肉体美、着物の端からさらりと見える「男性ならでは」の曲線は、そのような色気を出すことに見事に成功している。トヲコ氏十八番の橘右京も当然、覇王丸のようなマッチョな男でさえ、ほのかな、だけど、だからこそ強烈な色っぽさを出せているのは、一見の価値があると思う!
同様に、リムルル、そして夢路も、少年のようなりりしさと、少女のような可憐さが、不思議な魅力を醸し出している。いまハヤりの「オトコの娘」という感じたろうか。性別を超えた健康的な艶が、そこにある。
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侍魂2015年度カレンダー – RINGORANGE -MailOrder- – BOOTH(販売終了)
完全受注で、予約分しか生産されない。締め切りは11月28日。「今も、有志どもで現役で死合ってるぜ!」というバリバリのファンから、「うわぁ、そういやはまったなぁ・・・。」と懐かしく思う方まで。卓上にある美麗イラストで、あのころの熱い記憶をよみがえらせる、というのはいかがだろうか。
ネットだからこそ、そしてサムスピファンだからこそ、ページの下の部分に書かれてある注意をよく守って、予約を急げ!