映画

さらばコクサイ。次元の愛銃よ永遠に

2018年1月31日。伝説が一つ消えた。
伝説の名は「コクサイ」。日本のトイガン史上に「リボルバーのコクサイ」として名を刻んだメーカーだ。

それが業務を停止した。

これは、数々の試行錯誤が楽しめたエアガン成長期を体験したものにとって、どれほどの悲報だろうか。
というわけで、今回はコクサイ。特にM19。そう、「次元大介の相棒」な彼、についてお話を進める。

コクサイのモデルガン、M19

まず、「リボルバーのコクサイ」を一躍不動にしたものが、モデルガン「M19」だ。

板ばねで構成されたハンマースプリング。独特のトリガースプリングシステムはまさしく本物。
おかげでS&Wのスムーズなトリガープルがぱっちり再現。これでS&Wのとりこになった方もおられるのでは?
また、引き金を引かない限り撃鉄に衝撃が加わっても固定されるシステムも再現。
もちろん、外観も寸分たがわず再現。
何しろ、実銃のグリップがそのままつく。

それまで、モデルガン独自の機構、デフォルメ・アレンジされた外観で、グリップ取り付けるのにも加工が必要だったモデルガンファンは、大いに沸いた。
それまでのモデルガンが、「発火して遊ぶのに特化した」為に、「本物とは違う」アレンジが加えられたものとは「本物度」が一線を画していた。
まさにモデルガンの革命だった。

コクサイのガスガン、M19

コクサイの進撃は続く。
そして、ガスリボルバーでも、M19。次元の相棒で「リボルバーのコクサイ」の名は、確固とした地位を築いた。

これまた、なるべく本物に近づけようとした内部機構。
ガスガンなので、グリップ内タンクがあるなど、オリジナルの機構を取り入れなければならないところは仕方なくアレンジされている。
だが、トリガースプリング配置、そして可動式の撃鉄の頭、などなど。なるべく再現しようとした創意工夫が満載。
そして、やはり実弾を模したカートリッジが使えるところ。
カートの先にBB弾を加えさせて装填。リボルバーはこうでなくっちゃ!
しかも、金属カート。弾頭などが別パーツ。弾丸のリムに打たれた刻印。
など、たっぷり「実銃をいじってますよ」気分に浸れるほど、気合が入って細かいところまで再現されていた。
また、性能の方も、「ガスリボルバー」としては一歩抜きんでていた。
カート式リボルバーというものは、まずガスタンクから薬莢へつなぐガスルートで無理をしているので、ここでパワーロスが出る。
加えて、シリンダーをガチャガチャやるのなら、当然その中に入っているカートも可動式。
本体とカートの間で、隙間ができるから、ガス漏れは当たり前。ここでまたロスが出る。
そして、BB弾を加えこむゴムチャンバーも、一発一発、カートの数だけコンディションが違う。それだけ弾道がばらつく。
しかし、リボルバーで、シューティングマッチに挑戦する猛者も登場。
彼らの腰に輝くのが「コクサイM19」ベースのカスタムガン。
あまりの人気に、メーカー自ら『スピードコンプ』という競技専用リボルバーまで作ったほどだ。
リアルな外観、メカニズム、そして当たるリボルバー。
これを伝説と呼ばすして、なんと呼ぶ。

絶版となって長いガスガンのM19

と、リボルバーマニアからの熱い視線を受け続けるコクサイ。
そろそろ「コクサイM19」を握りたくなってきたのではないだろうか?
特に、「ガスリボルバー」の「M19」
タナカ、そしてマルイのM19がケースレス式の「多弾数オート」リボルバーが今の主流。
その一方で、「タナカ」並みの再現力で、なおかつエジェクターロッドまで押せて排莢ができる。
根強いカート式リボルバーのファン。そして、「カートでガチャガチャしてみたい!」というビギナーにとっても、必携の一丁ではないだろうか。
とは言ったものの、コクサイのM19。「当たり」を選ぶのは、それなりのコツがいる。
ここでその「コツ」を一気に伝授!

1.『スナイピングシステム』を搭載しているものを狙う。

もう絶版と化しているコクサイリボルバー。
当然、中古のものをあさるしかない。
しかし、かの銃にも「初期型」と「後期型」がある。
性能的には、「後期型」をお勧め。
というか、初期型は「エアガン」としては全く役に立たない。
銃自体が悲鳴を上げるスプリングの固さ。引き金を引くだけでボディが軋み、撃っているたびに「空中分解してしまうんではないか?」と不安になる初期型。
そして、その割に威力は低く、5mまともに飛ばない。
それが改良されているのは、やはり後期型。
トリガーの軽さ。そしてホップ付きとくれば、まさに「前期型」と「後期型」は別銃。
となると、ホップが付いているものには「スナイピングシステム搭載」と、箱にシールが貼られているので、それは比較的「当たり」になりやすい。
ちなみにうちのものは、2.5インチというスナブノーズにも関わらず、5mで空き缶をブリンキングするということは余裕でできる。
ただ、それでも「固いトリガー」が入っている場合もある。
店頭などで、リアルに触る機会があったら、トリガーの固さだけは確認して買った方がいい。
また、後期型では、カートの先端がゴム製のむき出し仕様になっている。
「何?これ?リアルじゃない」という方は、初期型のシリンダーとカートを手に入れるって手がある。

2.競技用ガスリボルバー「スピードコンプ」を手に入れる。

究極にリアルで、性能がいいM19を手に入れたいのなら、「M19」とともに「スピードコンプ」という銃を手に入れるって手がある。
このスピードコンプという銃、コクサイの職人さんが手を加えたようなシロモノで、各部のタイトな調整のおかげで、コクサイのガスリボルバーなら究極の一丁になっている。
内部機構は、ノーマルのM19にぴったりと収まるので、これを移植するというのも、「よく当たるM19」を手に入れる方法の一つ。
実際に、デフォーンドハンマーとカスタムされたサムピース・グリップが「特別仕様M19」感を一層盛り上げてくれるだろう。

というわけで、伝説のリボルバーメーカー「コクサイ」。
特にM19に焦点を当てて特集してみた。
S&W系中心に、数々のバリエーションを出してきたコクサイだが、やはりその中心にあるのは、「次元の相棒」M19だった。
繰り返すが、もう生産していないので、それなりに手間と苦労はかかる。
しかし、それを乗り越えて「自分好みの一丁」を作り出す楽しみ。それはコクサイリボルバーにしか許されていない楽しみだ。
今は亡きメーカー。トイガンの黎明期から屋台骨を支えてきたメーカー。その黄金時代を、あなたの手の中でよみがえらせてみてほしい。