次元大介特選オート。シグ・ザウエルP229
2019年1月に放送されたルパン三世TVスペシャル『グッバイ・パートナー』。
後半のド級の展開に加えて、今回は「次元が裏切る」という前代未聞の事件が起きた。それを暗喩するように、次元の手に握られていたのは、「リボルバー」ではなく、「オートマティック」。
愛用のS&WM19は?それさえも捨ててオートのシグ・ザウエルP229に乗り換えたのかっ!
それは、今までの「相棒としての絆」を断ち切る決意か?一瞬「これニセモノの次元の伏線?」と思わせるファクター。
しかし、P229という銃、実は「次元がオートに乗り換えるならば」というコンセプトで見ると、彼は真っ先にこの銃に手を伸ばすだろう。
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シグ・ザウエルP229とは
シグ・ザウエルP229、もしくはシグ・ザウアーP229。本稿ではザウエルで統一させていただく。
スイスSIG社の傑作オートP210の精密性と高い命中精度を受け継ぎ、さらなるタフさを求めたのがP226だ。
そして、そのコンパクトバージョンがP229だ。
現実にも、アメリカの沿岸警備隊をはじめとして、公的に採用されているところもバンバンある。
TVドラマ『24』でも、主人公の前期の相棒として大活躍。確かなバトルプルーフが買われ、まさに「プロ好み」のツールだ。
シグ・ザウエルP229と次元大介
しかし、P229という銃は、まさに次元と相性がいい。
なぜか?
操作方法が、リボルバーと似ているからだ。
まず、実はこの銃には安全装置が無い。デコッキングレバーを操作して、撃鉄さえ落としておけば、中身の安全機構が働いて、引き金を意識的に引かない限り撃てないようになっている。
実は、現代の引き金を引いたでけで撃鉄が落ちるタイプの、ダブルアクションオートは、みな撃鉄を落としておけば安全。
手動セフティは、あくまで「さらなる安心が欲しい」ということで付いている。
しかし、P229はいちいち「セフティがかかってるかどうか気にすることもなく」引き金を引けば即発射可能。
このリボルバーライクな操作性が気に入ったのではないのだろうか?
さらに、「ダブルアクションオンリー」のモデルさえある。
これは、常に重いトリガー、つまり撃鉄を落としたままのダブルアクションリボルバーを使い慣れたオフィサーのために開発されたもの。
このシステムと、高い命中精度・タフさ。そして、「ガバメント」やら「ベレッタ」やらに比べると、吸いつくようなグリップのフィーリング。
何せ彼はプロだ。銃に関する主張権は、彼にあるはず。多数の選択からP229を選んだのは、彼自身でこれに惚れたのではないだろうか?
第二に、オールスチール製でできていること。
グロックを皮切りに、シグ社、そして「コンバットマグナム」発売元S&Wさえ開発している現代のポリマーフレームオート全盛の中。
「プラスチックの銃なんて、イマイチ信用できない」というプロも確実に存在する。
実際、中に撃鉄を内蔵しているポリマーオートは、引き金のキレがちと悪いそうだ。
そして、そういう人が頼るのは、やはりシグのP229シリーズ。
今まで、ヘリだろうが装甲車だろうが、マグナム一本でやり通してきた次元。M19コンバットマグナムというのは、これまさに鉄の塊!
「銃ってのは、おもちゃじゃねぇ!」プラステイッキーなオートなんか使えるか!プロガンマンの一端が垣間見れる、実に渋いチョイスだ。
シグ・ザウエルP229のエアソフトガン
で、エアソフトガンでは、東京マルイと、タナカがリリースしている。
しかし、現時点で最高傑作と言えるのが、タナカのP229そしてP228だろう。
モデルガンとして通用しそうな外見には、デコッキングレバーなど特徴的な機構を完全再現。
手に取って初めて、そのコンパクトさ。そこに詰め込まれたメカニズムのみっちり感。そしてグリップのフィーリングの良さにあなたも惚れるだろう。
もちろん、ちゃんとガスブローバックで、反動もバッチリ味わえる。
劇中の刻印通りなら、P229。スライドデザインから見たらP228。と選択肢があるのが嬉しい。
また、P228の方は、マルイがコッキングガンで再現。
安価なものと、少し高め(といってもエアソフトガンとしては安い)ハイグレードがあるが、どちらも手動でポンプのばねを引くエアコッキングガン。
だから、ガスのコストに苦労することもなく、ガスが気化しにくい冬場でも安定して使える。
ディティールもかなり頑張って再現されている。何より安い方であれば2000円程度で買えてしまうのがうれしい。
という感じで、次元がオートを選ぶんだったら、P229というお話。
今回の『グッバイ・パートナー』自体、例えば「銃を構えたまま移動するときは、銃身を下げたまま。」とか「薬室に一発弾を送り込み、その上でマガジンに欠けたその一発を再装填する。」など、プロっぽい銃撃戦の作法がチラ見えして楽しい。
それにしても、シグ・ザウエルP228, P229の魅力をぎゅっと詰め込んだこの銃達。手にしたら、とりこになること間違いない。
Photo by wikimedia