ジョジョの奇妙な冒険 グイード・ミスタの銃の正体は?

名ガンマンと言うと、誰を思い出すだろうか。

ワイアット・アープ、クリント・イーストウッド演の『名無しのガンマン』、ルパン直撃世代なら次元大介、あるいはシティーハンター。こんな記事を見ていただいている皆様ならば、各自心に一人ぐらいの「心の師匠」=「ガンマン」を抱いているだろう。

その中に、「グイード・ミスタ」の名はあるだろうか?

グイード・ミスタというのは、カリスマ漫画『ジョジョの奇妙な冒険』に出てくるガンマンのスタンド使いだ。
ちょっとその前に説明しておく。スタンドと言うのは、『ジョジョの奇妙な冒険』に出てくる、超能力のこと。
各々特殊能力をそなえており、その顕現として、イメージとしての「実体」として現れる。これを使えるのがスタンド使い。

ミスタは、そんな特殊能力の中、弾丸の軌道操作ができる。コブラのサイコガンではないけど、百発百中はもちろん、自分の思い通りに、障害物をよけて標的に当てる、などという芸当も可能。

ひょうひょうとして、とぼけているが、ここ一番では死すら厭わない漢っぷりを見せる彼に引かれた方もおられるのでは?

また、もちろんオートではなく、リボルバー使いだ。ダーティハリー、シティーハンター、次元大介など、「ガンマンならリボルバー」の黄金律を幼少時に叩き込まれた方にとっては、実にツボを押さえた設定になっている。

しかも、小型のリボルバー・・・スナブノーズを使っているのがいい。拳銃使いならそのアイコンとして、大口径の銃を使わせるのがメジャーだが、そこをうまく裏切り、個性を出しているのが荒木飛呂彦流だ。

しかし、マニア間の論議に「はたしてミスタの銃の正体は?」というものがある。

「マンガ・イラスト見れば一発でわかる。」とおっしゃられる方もいるだろう。
しかし、荒木先生の描くミスタ銃のイラストはアバウトで、ある時は、銃身先がS&Wっぽかったりコルト風だったり、いまいち一定してない。
はっきりしていることは、

  1. 2インチ程度の短銃身(スナブノーズ)リボルバーであること。
  2. 撃鉄部分を覆い隠してしまうカバー(ハンマーシュラウド)があること。

だ。特に、2の特徴は、リボルバーに「肩をいからせた」ようなデザインとなっており、ミスタの銃を強烈に印象づけるものとなっている。
それでは、そんなデザインの銃が実際にあるかと言えば・・・。

まず初めに思い出されるのが、S&W・M49ボディガードだろう。

S&WM49 Bodyguard

小型リボルバーの代名詞、S&WM36、通称チーフスペシャルの露出しているハンマーを、フレームが覆っている。
実際、隠匿性の高い小型のチーフスペシャルに、「ポケットから抜くときに撃鉄が引っかからないように」ハンマーシュラウドを付けようという考えはポピュラーなようで、撃鉄まで覆ってしまうグリップも市販されている。

それを受けて、メーカーサイドが開発したのだろうか。それはさておき、この銃は何はさておき、ミスタの銃とシルエットが似ている。
特に、特徴的なハンマーシュラウドは、まさに「ミスタ銃」を演出するのに絶大な効果を表している。

トイガンで手に入るのは、タナカの一品。ペガサスシステムを採用している・・・つまり、シリンダーにガスとBB弾を入れる方式なので、パワー・装弾数・精度も抜群によい。

また、シリンダーから空カートリッジを抜くという、リボルバーの儀式はできなくなったが、フレームの内部機構のリアリティも群を抜いている。

で、カート式の話が出てきたけど、実はペガサスシステム以前には、カート式リボルバーしかなかった。

これは、実弾を模したカートにBB弾を仕込み、撃つ。タンクがグリップにある以上、ガスルートは複雑なものになる。さらに、カートからガスが漏れるので、パワーロスはどうしても避けられない。

ただ、シリンダーからカートがこぼれる・・・というあのワンシーンのために、根強い人気があり、リボルバーの主流になっていた。

たとえ、5mで弾道がお辞儀することになっても。

しかし、ペガサスシステムのおかげで、装弾数、威力とも普通のオートのガスガンにやりあえるようになってきた。

というわけで、ミスタ銃の第一候補・・・S&WM49ボディガードは、タナカが決定版なのだが、どうしても、あのシリンダーに弾を込めるシーンが再現したい、しかも、ガスガンで、というなら、絶版になっているマルシンのモノを買うしかない。

本当に5m先にも当たらないものだけど、やはり真鍮のカートが床に転がって・・・というのは、実にいいものだ。

しかし、M49にも、原作と比べ合わせてみると、つじつまの合わない描写がある。ハンマーシュラウドが、後付けになっているし、どうも、装弾数は六発らしい。M49の装弾数は五発。

となると、原作に一番近いのが、コルト・ディテクティブスペシャルか、S&WのM10に、後付けでハンマーシュラウドをつけるのが一番近い。

Colt_Detective_Special
コルト・ディテクティブスペシャル

S&W_M10
S&W M10

コルト・ディテクティブスペシャルなら、ハンマーシュラウドが別メーカーから出ている。つまり、比較的簡単にパーツが手に入るミスタ銃なら、これが一番だ。
で、やっぱりタナカからペガサスシステムのものは出ている。しかも、前期型の、排莢桿が露出している奴。

原作も、ばっちり露出しているし、何よりコルト・リボルバーの熟成されたウイスキーのような曲線は、漢の色気たっぷりなミスタに似合う。

そういうわけで、さっそくハンマーシュラウドを試してみたのだが・・・。つけるのはかなり疲れる。

というのは、撃鉄の周りを覆うフレームの曲線と、ハンマーシュラウドの曲線が微妙にずれており、削り込まなければならない。

また、表面も加工してない、ざらっとしたものなので、どうしても金属を削る工具と時間が必要になる。ま、やすりでぼちぼちとやっていくのだが、かなり手間暇かかる。

また、シュラウド後部が固定されないので、穴を開けてねじ止めするか、両面テープでくっつけるしかない。
だけど、艱難辛苦を乗り越えて出来上がったミスタ銃は、何よりも

「俺がスタンド使い!頼むぞ!セックス・ピストルズ」

という妄想・・・もとい満足感を与えてくれるに違いない。

M49、ディティクティブは、スナブノーズとしても、刑事ドラマにけっこう出てくる銃なので、押さえといて損はない一品だ。