映画ドラマ

本当に「さらば」!?『あぶない刑事』最新のガン・モード

1月3日、とうとう公開された『さらばあぶない刑事』。

トレーラーの中にも、まったく30年のギャップを感じさせない、あの名調子とともに、「トレンディ刑事」がよみがえっている。まずはこれに驚いた!昨今の刑事ドラマ。やれ「リアリティ」だ。あるいは「推理劇」に偏り過ぎて、「まず体動かせよ!」と突っ込んでしまいそうな作品があふれている。

昔の作品は、もっと「火薬と硝煙の香り」に包まれていた。そして不思議なことに「血のニオイ」はしなかった。荒唐無稽で、バイオレンスで解決するけど、どこか「リアルな暴力を想起させない」さわやかなアクション刑事。思えば『ベイシティ刑事』『あいつがトラブル』と、バブル景気華やかな頃は、名作が目白押しだった。

こんな「オサレ刑事」もっと復活してほしいと思うんだが。『さらばあぶない刑事』のオフィシャルサイトはここ。

http://www.abu-deka.com/

そして、今回二人の「相棒」となる銃。やはりタカ=コルト45オート。ユージ=スナブノーズリボルバーという、定番は外せない。そして、タカカスタムだが、これは、モデルガンと、ガスガンで発売される。しかも、わざわざ『さらば』仕様になっている。

まずはモデルガン。精密な再現に伝説的カリスマがある六研。そのブランドを引き継ぐエランから出される。しかし、こいつはまさに究極の一丁。撮影で使われている小道具をそのまま完全再現。違うのは、市販しても大丈夫なように発火方式が改められただけ、というすさまじさだ。

「なるべくシンプルなガバメントを」という舘ひろし氏の声をもとに、見た目は80年カバメントだ。しかし、背の高いフロントサイト、スライドには斜めの滑り止め溝。グリップは、「もう、これじゃないと『あぶ刑事』じゃない。」パックマイヤー製。しかも、舘氏の渋さを求める声に応じて、メダリオンはブラックメッキ。文字通り「映画の迫力をそのまま産地直送にした」カスタム。値段の方は、20万近くする。なにせ、ほとんどオーターメイド品に近いのだ。

しかし、30年にも及ぶ『あぶない刑事』ヒストリーのラストを締めくくるのにふさわしい、豪華仕様ともいえる。なにせ。映画プロップという意味では、「ホンモノ」なのだから。この「重さ」を受け止められる方は、是非持っていて欲しい一丁。

また、ガスガンの方も、文字通り「日本製ガバメント」=「和ガバ」でおなじみ、ウエスタンアームズから出される。これも『さらば』仕様なのがうれしい。上記で記した、ノーマルに必要最低限のカスタマイズを施した仕様は完璧再現。マグナブローバックの最新バージョンは、信頼性・ズシリと来る反動・高い命中精度と三拍子そろったスグレモノ。

また、重さといい外見といい、もろに金属を彷彿させる、カーボンブラックヘビーウェイト樹脂でできた本体。黒染めで処理した上に、ポリッシュがかけられている肌は、渋く鈍い輝きを放つ。エランが「モデルガン」での「ファイナルウェポン」なら、こっちは「ガスガン」でのファイナルウェポン。さらに、モデルガンと比べると、はるかに手を出しやすい価格と来ている。

マズルファイヤと薬莢が飛び出さない、BB弾仕様のモデルガンと言ってもいいこれ。サバイバルゲームで「タカ」を気取るのもよし(もちろん高級スーツで)お手元に置いて、『あぶない刑事』30年の重みをかみしめるもよし、ファンなら必携と言っていい逸品だ。

そして、ユージの方は、S&Wのド定番リボルバー、M10を使っている。

しかし、これまた「タカ」と同じく、これと言って目立つ特徴はない、M10。しいて言えば、シリンダーとカート底部のギャップを埋める、カウンターボアードが廃されているところぐらいか。しかし、かえってこの仕様が「原点に戻る」感を醸し出していて、とてもイイ!

そもそも、すべての始まり。TVシリーズ『あぶない刑事』で、ユージはこじゃれた銃を使っていただろうか。
否!彼の手に握られていたのは、コルト・ローマン。『太陽にほえろ』『西部警察』その他諸々。おまわりさんのスナブノーズと言えばこれ。
文字通り「ニューナンブ」ぐらい、ぱっとしない銃だった。しかし、文字通りステップを踏むように走り、弾をかわし、撃つ。

軽快で活発な「ユージ」の魅力。おかげで手に握られたそれに、改めて目を向けざるをえなかった。そして、改めて見てみると、その魅力的なこと。曲線を多用された流麗さ。にゅっと突き出たバレルの下に、むき出しでエジェクターロッドがつけられている、熟成されたワインのような味わい。

それらのかっこよさは「さりげない」銃だから、「かっこよかった。」

昨今のユージは、「M586」のバリバリの現役カスタム「キャリーコンプ」を使っていたが、派手に銃身にマグナポートがついたり、流行のグリップを付けたりするのは、「かっこよすぎる」と思いません?そもそも、ユージを演じる柴田氏は、舘氏と比べると強いこだわりはないらしい。この「こだわりのなさ」。しかし、一貫して「リボルバーにこだわる」というスタンスが、ひょうひょうとしているが、やるときにはイッキにやる漢「ユージ」をうまく表しているのではないか。シンプルだけど、飽きが来ない、すべての原点のリボルバーこそ、ひょうひょうとした軽快さがウリの「ユージ」に似合う。

いまだに、護身用として根強い需要があるM10。それは、現在でもS&W社が製造を続けていることでもわかる。取り立て派手なマグナムを使うわけではない。だけども必要最低限の威力の38スペシャル弾、そして六発のキャパシティを持つ。警察官など、「拳銃稼業」なら、かならずリボルバーの教材として一回は触れているM10。

しかし、この「キングオブ・ベーシック」どこもガスガン化してない、というのはいかがなものか?いや、タナカがM10を出しているが、グリップが角ばっているし、第一2インチは出していない。なにより『あぶない刑事』がラストを飾るというのに、どこもM10の記念モデルは出していないのだった。

だから、ジャパニーズM10を手に入れようとすると、モデルガンしかない。しかし、それが「リボルバーのコクサイ」とまで謳われたコクサイから出ているのは、幸いとしか言いようがない。これまた人気商品で、最近では「オールドモデル」なるバージョンまで出たロングセラー。
しかし、これは、『さらば』で使われたものとは若干形状が異なる。バレルはオールドスタイルの半月型のサイト、グリップはスクウェアと呼ばれる角ばったタイプ。

ここは一つ、劇中に出ている奴に似ているもの。すらりとした近代的なフロントサイト。スナブノーズによく似合う丸っぽいラウンドパッド装備の、スタンダードモデルを買うべし!何せ、本物のメカニズムの再現と呼ばれたボディには、無加工で実銃のグリップさえ付く。ぜひとも「モデルガン史に革命を起こしたリボルバー」コクサイのリボルバーをこの機会に一本!

というわけで、何やら原点回帰のようなものが感じられる『さらばあぶない刑事』。PVで流れた「長く居すぎたネ。この街に」「いつか別れる時がくるさ。」まさに、あの時、『あぶない刑事』が油に乗りに乗りきっていた時。いつもと同じ感じで放たれる名調子。だから、その軽さの中に「さらば」の気迫がひしひしと詰まっている。そして、その後の孤独と余韻。ぜひとも彼らとともに激闘を繰り広げた「カノジョ」たちと浸ってほしい。

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