ポリマーオートの革命!グロックシリーズ
グロック。
それはオートの革命。
現在のオートは、どんどんポリマーフレーム。つまりプラスチックのフレームのピストルが市場に快進撃を続けている。
その皮切りは、やはり「グロック17」だろう。
その登場時から、異色だったグロック。
スライドにはセフティの類もなく、グリップにもマガジンリリースボタンしかないのっぺりしたデザイン。しかも、プラスチック多用と来ている。
その外見も相まって、発表当時は「ポリマーフレームの一発屋」か?と思われていたのだが、ユーザーが増えていく事により、そのイメージは払拭。今や、現代を代表するオートの一つに。
採用する公的機関は数知れず。
アメリカでは警察といえばこれ。ほかにも五十か国で採用されているのが、優秀さを物語る。
それを受けて、銀幕でも銃撃戦がウリならば、「グロック」シリーズがお目にかかれない作品はないといっても過言でない。
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グロッグの特徴
H&KVP70に、ステアーGB。グロック以前にも、ポリマーフレームで軽量化を図ったものはあった。
しかし、それらが銃の歴史に埋もれるのと対照的に、グロックはどうしてこうも受け入れられたのだろうか?
まず、なんといっても「軽い」
例えば、件のグロック。重量は700グラムぐらい。
スチールフレームオートの代表選手、M1911が一キロを超すのと比べると、その軽さがわかると思う。
おまけに、スチール並みに頑丈。
グロック社では、この銃を氷漬けにしたり、車にひかせたりしての耐久性をテストしている。
いささかやりすぎの感が見えるこのテストを乗り越えて、それでもグロックは作動を確保した!
従来のスチールフレームの重さに辟易していたガンスリンガーが、一斉に飛びついたのはそれだけではない。画期的な操作感覚があったからだ。
まずは、トリガーにのみ集中させた安全装置。
グロックには、手動でかける安全装置はこれのみ。
いちいち「セフティかけ忘れたっけ?」と確認するわずらわしさがない。
また、トリガーの中から姿を見せるトリガーセイフティは、引き金を引くとき以外は、がっちりとフレームに食い込む。
それでいて、「引き金を引く」。この行為だけで解除される。
この巧みさには舌を巻く。これはトイガンでも感じることができるはずなので、ぜひ手元で試してもらいたい。
中央の突起に触らないで、トリガーのわきを引くと、がっちりと固定される引き金の手ごたえ。
それでいて、引き金を引く。その行為だけでナチュラルに引っ込んでいく安全装置。
この違和感のなさ、自然さは、かの名銃M1911のグリップセフティに通じる。
加えて、トリガーが軽い。
スライドを引くだけで、半分ほど内臓撃鉄が奥にひかれる。
このおかげで、撃鉄を上げているシングルアクションと同じくらい軽いトリガープルが確保されている。
ダブルアクションオンリーな銃とは、一線を画している。
つまり、「引き金を引けるだけで撃てる。」
要するに、ダブルアクションリボルバーのような「余計なものがない」手軽さ。
さらに加えて、17発まで入る。
その火力の高さ。実際に、「銃を持った素人でもよく当たる」「敵はマシンガンで武装していたけど、この銃のおかげで助かった。」という声が続出。
おまけに価格が他の銃と比べて安い。
と、くれば、売れない方がおかしい。まさに、ピストル史を変えた革命という言葉がふさわしい。
映画、TVでのグロッグ
おかげで、TVドラマ『24』から、『ウォーキングデッド』。その他数えきれないほどの作品!
有名無名まで、とにかく現代のガンアクションといえば、この銃が出てきている。あまりにも氾濫しすぎて「チーフスペシャル」並みに通行人Aのような目立たなさになっているくらい。
しかし、初めにこの銃が着目されたのは、アクション映画金字塔『ダイ・ハード2』からだろう。
前作が規模と火力をパワーアップさせたような本作。当然、大ヒット。そして、その中で敵テロリストが使っていたのがこれ。
「X線検査にも引っかからない」。劇中でそう述べられていたが、ちゃんと映る。
しかし、それを真に受ける人もたくさん出たのは、ヒット映画としての宿命かもしれない。
トイガンのグロッグ
ガスブローバックの傑作 MGC グロッグ17
ダイ・ハード2のヒットを受けるように、今は無きMGCから「グロック17」が出た。
これもまた、トイガン史に名を残す傑作。この銃で、ほぼ「完成された」ブローバックが出来上がった。
というのは、グロック以前にもブローバックする銃はあったが、すぐにタンクが冷えてガス漏れする。反動が弱い。給弾不良を起こしやすい。と、まだまだ「イロモノ」的な扱いを受けていた。
しかし、そこは、日本トイガンメーカーの立役者であったMGC。
かのグロックは、冬場でも作動する安定した作動。そして、サバイバルゲームや、果てはマッチでも使える命中精度。これまでの「ブローバックガスガン」が色あせてしまうほど、画期的な銃だった。
古参のガンマニアなら、この銃で初めて「ブローバック」の楽しさを知った、という方も多いだろう。
そして、今。グロックは各種ガンメーカーから出ている。
グロッグシリーズを多数揃える東京マルイ
東京マルイのグロッグシリーズは、そのタフさとコストパフォーマンスから、初心者に「親指立てて」紹介できる。
ノーマルのグロック17は、最新型であるサードジェネレーションを再現。銃身の下に、フラッシュライトなど各種アタッチメントがつけられるレイル付きだ。
コンパクトモデルの「グロック26」。
こいつは手のひらに収まるか収まらないか程のちっちゃいナリをしているが、命中精度、作動の安定性とともに、大型オートに引けをとらない。
ということで、サバイバルゲーマーにも重宝されている。
そして、それのカスタムである「グロック26アドバンス」
サイトの前には、迫力のあるコンペンセイター。そして、延長されたマガジン。
まさに別銃と化したこの銃。さらに洗練された、シャープな姿は、サイバーパンクに出てきそうな色気さえ醸し出す。
実際に、アニメ『攻殻機動隊』にもちらりと顔を出しているのが、その魅力を語っている。
また、フルオートも使えるグロック18Cには、電動とガスブローバックの2タイプが用意されている。
サバイバルゲームのウェポンとして割り切るなら、サイレンサーが効き、冬場でもバシバシ撃てる電動のグロック18Cを。ガツンガツンくる反動を味わいたいなら、ガスブローバックを。
実銃でもかなり優秀なマシンピストルらしい18Cそのだいご味がぎゅっと集約されているのが、グロック18Cだ。
このように選択肢が豊かなところも、マルイのグロックシリーズのいいところだろう。
グロッグの魅力
というわけで、グロックについてのあれこれを、ざっと語ってみたけど、いかがだっただろうか?
グロックというのは、不思議な銃で、一見、愛想がさっぱりない銃。
しかし、使えば使うほど。手になじんでくるほど、その魅力がわかる。
「撃つ」ことへの合理性の頂点が、そのような感情を生む。
「銃は鉄と木でできている」との信念を持つあなたにも、まだ触っていないなら一度は触ってほしい。
「撃つ」ことによって、初めてその真価がわかる。
そんな不思議な魅力にあふれた銃だ。
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