モダナイズパイソン!?「コルト・キングコブラ」

コルト社には『パイソン』あり!

もう説明の必要もないだろう。シティハンターの愛銃、はてはゲーム『バイオハザード』シリーズの最終兵器。あるいはまた、特撮の『仮面ライダークウガ』第二の主役一条刑事の愛銃。

もはや、ジャンルを超えて愛される不滅の名作リボルバー。それが、コルト・パイソン。

しかし、フォルクスワーゲン・ビートルがあまりにも優秀すぎて、その後の後継者がイマイチぱっとしないように、パイソンという先代の影に隠れてしまって、イマイチ評価が低い残念な子もいる。

例えば、今回紹介する『キングコブラ』のように。

コルト・キングコブラの魅力

ご存知の方も多いだろうが、パイソンの名前は、「ニシキヘビ」を表している。

その例にもれず、コルト社が気合を入れて開発したリボルバーのシリーズには、蛇の名前が付く。

例えば、パイソンとディテクティブを組み合わせた『ダイヤモンドバック』(ガラガラヘビ)しかり、ディテクティブの発展形『コブラ』しかり、そして、今回紹介する『キングコブラ』しかり。

伊達にキングの名はついていない。もちろん357マグナム仕様。

パイソンに手が届かない人のために、というのだろうか? 安価なリボルバーを、ということでリリースされた本銃。
年代物のパイソンとは違って、各部に改良が加えられている。

詳しく言うと、メカニズムを一新。改良が加えられたマークⅢ。それを受け継ぐマークⅣ、マークⅤのメカニズムをさらに改良したもの。

コルト社の最大の泣き所である、ダブルアクションも比較的スムーズになってリリースされたこれ。

何せパイソンが1956年、キングコブラが1986年。隔世の感がある。

リリース当初は某銃雑誌でも、くそみそにけなされたこれも、そこそこ売れたらしい。

そりゃそうだろう。パイソンをモダナイズしたような本銃は、当時のコルトの「かっこよさ」のエキスを凝縮したようなデザインをしている。

パイソンのようなぷっといバレルには、ベンチレーデッドリブなどという余計なものがない。シンプルだけども、銃身下のアンダーウェイトは先端が丸く削られている。S&W版パイソンの『M586』と比べると、ぐっとセクシー。

これまた太いハンマーも、トリガー周りの曲線。シリンダーを解放するラッチも、グラマラスそのもの。

おまけに、コルト社 記念として作られたこれには、名の知られたカスタムグリップメーカー、パックマイヤー社のグリップが付き、グッとカッコよさが増している。

パイソンと比べてみると、いかにパイソンがクラシカルな銃かわかる。SF映画に出てきそうな、シャープだけどグラマーな銃。それがキングコブラだ。

コルト・キングコブラの活躍

しかし、鳴り物入りでリリースされたこれ。知名度はイマイチ。何せ、出てきたメジャーな作品が『あぶない刑事フォーエバー』で、ユージの愛銃だったこと。


または『俺たちルーキーコップ』ぐらいしか思い出せない。

おそらくこの記事で、初めてその名を知った、って方もいるのではないだろうか。
実際に、コルト社での生産も2019年まで止まっていた。

モデルガンのコルト・キングコブラ

しかしこんなレアな銃でも、きちんとリリースしてくれているトイガンメーカーがあるというのは嬉しい。しかも、「精密さではトイガン界のタミヤ模型」KSCがモデルガンとして手掛けてくれている。

各部も精密に作られており、当然のごとく、実銃のカスタムグリップが付いているところも素晴らしい。

コルトメカを精密に再現したおかげで、S&Wに比べると鈍重なトリガーの引き具合も再現してあるのはご愛敬。何より発火性能が高い。引き金を引くだけで、快調に発火してくれる。

「なんだ、そんなの当たり前じゃんか」とおっしゃる方もいるかもしれない。しかし、7mmのごく小さな火薬で、ちゃんと発火してくれるのは偉大なこと。他社では、間違いなく調整のいるモデルもあるのだから。

この快適な作動は、かつての名門。MGCを彷彿させる。

何よりも作動を重んじることで、一躍モデルガンファンの注目を集め、今でも伝説となっているかのメーカー。加えて、そっちの方が少しばかりおろそかになっていた「メカの再現」までしてくれているのは、まさに言うことなし。

最近では、他のリボルバーモデルガンを差し置いて再販も決まっているところが、この銃の人気を物語る。また、タナカのモデルガン並みに再現性が高いのに、値段が手ごろなところも嬉しい。

3万4万があたりまえな「高級モデルガン」。一万台で実銃カスタムグリップ付きで1万円台、というのは、間違いなくリーズナブル。

コルト社のリボルバーは、パイソンだけではない。

モダナイズされたコルト社のリボルバー。そのセクシーさが味わえるのはこれだけ。それに、こいつはモデルガン。別に命中精度なんか気にせず、バンバン発火できる!

パイソン好きにも、ミドルサイズリボルバー好きな方にも、万人にお勧めできるリボルバーの一つだ。


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