アニメ

シティーハンター冴羽獠、そして愛銃 Colt Python 357

『シティーハンター』そして、その続編『エンジェル・ハート』。連載開始が1985年なわけだからもうかなりの時間が経つ。

2019年には劇場版シティーハンター「新宿プライベート・アイズ」が公開されたが、1999年のテレビスペシャルから数えると20年越しだ。

しかし、2023年!
この令和の時代に、奴は、ついに帰ってきた!
しかも「劇場版」として!
その名も『天使の涙』!

あらすじは次の通り。
りょうの前に現れた目の覚めるような美女、アンジー。
シティハンターの前に美女、という、いつものパターンではじまる事件だったが、その依頼は!?
「愛猫を探してほしい!?」
しかし、物語はいつしか大きな陰謀に巻き込まれていく。

しかし、刮目して欲しいのは「海原神」なる男。
原作版最終回近くに現れたラスボス!
りょうにすべての戦闘技術を教えた、いわば父親がわりの男。
加えて、りょうの元相棒、牧村秀幸の命を奪った憎きかたき!
そして、その妹の香が、現在のシティハンターの相棒なのだが、その因縁に巻き込まれざるを得ない!

というのは、予告編を見ていたが、かなりシリアス。
傷だらけのりょうは、本当にかつてないほど傷ついている。
「冴羽りょう最大のピンチ」を謳った作品もいくつもあるが、今回は本当に命がマズイのがひしひしと伝わる!
加えて香の号泣! 牧村秀幸の最後の思い出!
本編の「秀幸の命を奪った組織『ユニオンテオーペ』
そのボスであり、ある意味父親でもある海原との対決は、ラストを飾るにふさわしい重厚なものだった。
アニメ版では、どう料理されているのか、大いに期待したい!

また、「これでシティハンターの世界に触れ、その世界にどっぷりはまり込みたい」という方。
『シティーハンター アニメ全史』がオススメ!

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ノーブランド品

4シーズンにわたるTVシリーズ。
TVスペシャル3作。
そして、今回の『天使の涙』を含めた、5作。
シリーズの息の長さに感嘆すると同時に、「じゃ? 膨大な作品の中、どこから手を付けたらいいの?」って方に、最適なガイドとなっている!
各種オススメエピソードから、キャラデザインの変更がわかるデザイン画まで!
特に、令和になってから、このようにまとまった形での「全話紹介」っていうのは、なかなか見かけないので、要チェックだ!

それはさておき。
僚のあの「新宿の種馬」として、少しばかり男臭い、いい意味でセクシーな三枚目は、神谷氏のお家芸だ。彼自身「二枚目から三枚目まで、幅広い面を持つ」冴羽僚はお気に入りで、自らの事務所にも、シティーハンターの仮の会社「冴羽商事」と名付けるほど。

僚の愛銃、コルト・パイソン。アニメのオープニングでも、軽快に火を噴く。そしてあげくの果て、戦闘ヘリまで倒してしまう。

しかし、実物のパイソンは、私は一種のアンティークとして見ている。なにせ、1955年に発売されコルトの職人が一丁一丁手作業で調整している。すなわち半世紀も前に設計された銃であるがゆえに基本設計が古い。

よく引き合いに出されるのが、S&W社の357マグナム。M586シリーズだ。性能、そしてコスト面では、S&WM586に完全に軍配が上がる。

しかし、性能とコレクターズ・モデルとしての価値は別だ。やはり、まろやかなワインを彷彿させる、グラマラスな美女のようなパイソンは美しい。加えて、散弾銃のような力強いバレルは、一発でパイソンだと分るキャラが立っている。

僚とパイソンが魅力的に描かれたオープニング、エンディング

シティーハンターといえばオープニング、エンディングとその音楽。どれも僚とパイソンがかっこよく描かれている。

第1部のオープニング、「ゴーゴーヘブン」

まずはシティーハンター第一部、後半のオープニング『ゴーゴーヘブン』。

盛り上がるギターのサビに、さり気なくワンカット入る僚の指名手配書。そしてその下には、もちろんパイソン。続く軽快なイントロとともに、彼を取り巻く洒落たな小道具のワンシーンが挿入され。そして、歌詞が始まるとともに、それに合わせたように迫力ある発砲シーンが。リズムに合わせて演出されるこのシーンは、まるで踊るように軽快。シティボーイらしい軽快さと、357マグナムといういかにも野性的なものが同居する、まさに「僚」のイメージのプロモーション・ビデオだ。

特に、フレーズの盛り上がりに合わせて、シリンダーから排莢されるシーン。実際に、スローモーションで、光の粒をまき散らしながら、地面に踊るように転がる金色の薬莢。これで、リボルバーに心を鷲掴みされた方も多いのでは?

シティーハンター2、『Angle Night 天使のいる場所』

第二に『シティーハンター 2』の前半のオープニング。プレイステーションで大ヒットした音ゲーの先駆け。その音楽を担当した松浦雅也が加入しているバンド「PSY・S」が送り出した『Angle Night 天使のいる場所』。

曲のラストに向けて、息もつかせぬほど盛り上がったところ。そこへ一人歩く僚の後ろから、まるでジョーズのようにぬっと姿をあらわすヘリ。激しいヘリからの銃撃が、僚に炸裂。しかし、それをものともせず、マグナムを抜いて、一発!回りこむカメラワークで描かれる発砲シーン。そして、時代劇を彷彿させる、「一瞬にしてすれ違う」ヘリと僚の姿が、一瞬の停止絵として描かれるのが対照的。そして、鮮やかなガンスピンでパイソンをホルスターに収めると同時に、はるか上空に上がったヘリが爆発。

まるで、時代劇の殺陣、のようなケレン味にあふれる一瞬。斬鉄剣のように、「攻撃した後」一瞬の間をおいて、倒れる敵。

うん「357マグナムでヘリは落とせない。」「そもそもどうして撃たれたらすぐ爆発しないの?」「うん。それはね。スタッフがあんまり銃器に詳しくなくって、なにせリボルバーにサイレンサーをつけても効果ないのに、わざわざつけていたくらいだから。」など、野暮なツッコミを入れてはいけない。いや、そのツッコミさえも吹き飛ばしてしまうかっこよさが爆発している。

シティーハンター3、『RUNNING TO HORIZON』

そして、やっぱりパイソンの魅力たっぷりといえば『シティーハンター3』のオープニング。

TMネットワークの重鎮、そしてヒットメーカーのアーティスト、小室哲哉が送る『RUNNING TO HORIZON』その軽快なコーラスとともに、真っ暗闇から何か扉が開く。何かな? と思ってみてみると、それは冷蔵庫の扉。ビールを取り出して、ぷはーっとやると、一枚のメモ用紙。そこには、パートナーの香の手でこう書かれている。「飲み過ぎ注意」と。

と、こんな小粋な演出から始まるオープニング。しかし息つく暇もなく、次の瞬間、場面が切り替わって戦闘ヘリに追われる香が。という具合に、それを知らない僚のリラックス加減と、一方その頃、香が生死をかけて逃げまわっている。静と動の対比がいい。たたみかけるようなアクションシーン。実によく動いて、見ているだけで爽快。

そして、窓ガラスを突き破って突っ込んでくる香を受けて、一瞬「な、何かあったの?」ときょとんとする僚に、ヘリからの銃弾のシャワーが。慌てふためく僚と香。しがみつく香を何とかふりほどこうとするのが、実にコミカル。しかし、一回転して部屋の隅に転がり込む僚の手には、パイソンが。

一瞬、カットインするパイソン。生活感ある小道具の中に、拳銃が溶け込んでいるのが、いかにもな雰囲気。で、口にくわえられたマグナム弾。日本刀の鯉口を切るような音とともにマグナムが装填され、激しい銃弾の暴風の中、仁王立ちでヘリを一発で沈める!これぞ『シティーハンター』という感じ。そう、このちょっとコメディだけども、シリアスなところはバッチリ決める。それが『シティーハンター』ではないだろうか?

シティーハンターといえば、TMネットワーク

そう、シティーハンターといえば小室哲哉、TMネットワークだろう。

モノクロの演出が渋い、シティーハンター第一部のエンディング『Get Wild』。まるで、僚の内面をそっと告白するような『Still love Her』など。80年台後半を代表するヒット作を連発していたTMネットワーク。先ほど上げたPSY・Sとともに、時代の風を象徴していたアーティストが楽曲を提供しているのも、シティーハンターの魅力。

彼の庭である新宿も、当時と今とではかなり変わってしまった。だからこそTMネットワークに今ひたろう。懐かしい「僚」がいたあの時代にタイムスリップと洒落込むのもいいかもしれない。というわけで、シティーハンターのオープニング、そして、テーマについて、つれづれと綴った。

パイソンが印象的なシティーハンターの神回

しかし、シティーハンターはあくまで「銃」のみにあらず。『SUPER GIRL』『熱くなれたら』など、僚と香の関係をしっとりと歌いあげるように描いた名作ぞろいだ。今聞いたら、すこしダサく感じる方もおられるかもしれない。しかし、それさえもスタイリッシュな懐かしさと化すのは、シティーハンターマジックだ。最後に、パイソンといえばこの回。

独断と偏見で上げてしまうが、『シティーハンター2』最終回、『さらばハードボイルドシティ』は必見。

まだ見ていない方のために、大筋は省く。しかし、そのラストシーン。やっぱり危機的状況なのに、弾丸は一発。かくいうシチュエーションが、いやが上にも雰囲気を高めるのに、あの劇的な告白。そして、覆いかぶさるように、『シティーハンター』の顔『Get Wild』の静かなサビがかかってくる。涙腺を揺さぶるどころか、トドメを指すような演出の連発!たった一発の銃弾なのにここまで重いとは。

ネットでも『神回』と謳われるこの回。アニメのオリジナルストーリーなので、原作を読み尽くした方にも、自信をもって紹介できるエピソードだ。気になる方は、ぜひともDVDを。

その手にパイソンを。おすすめのトイガンたち

そして、パイソンが欲しくなったら。

弾が出てこそ、ガスガンのコルトパイソン357

ガスガン・モデルガンともタナカのパイソンがおすすめ。シリンダー内にタンクとマガジンを収めているので、劇中みたいに、カートリッジは取り出せないが、そのかわりに12連射、高い命中精度が味わえる。オートとためを張れるリボルバーだ。
今や、R-モデルとなってリニューアルされている上、とどめのような最終作が出ている。
その名もズバリ「Colt Python “Ryo Saeba” model」だ!


まず、ガスガンの方から行こう。
まず、ぱっと見での特徴は「同梱のサイレンサーがつけられる」こと。
実際には、リボルバーにサイレンサーは効果が薄い。
しかし、『シティハンター』の世界では、バシバシ活躍している。
タナカは、このサイレンサーに、独自に開発した「ドラム・バッフル」を入れている。
あるいは、刻印。
シリアルナンバー「E1919」(いぃイクイク)は、彼の愛車、ミニクーパーとナンバープレートと同じだし、フレームには、ひそかに、マンガ版で彼のパイソンのチューンを担当した「真柴憲一郎」のイニシャルもある!
しかも、原作者北条司氏の書き下ろしなのだ!

また、モデルガンの方はさらに、そのような特徴を受け継ぎ、作中でよく出てくる「メタルジャケット」にカートを変更。から内用スプリングまで入っている。
また、サイレンサーの方も、モデルガンのために「タイプⅡ・サイレンサー」をわざわざ作っている!
しかも、銃本体を飾れるアクリルスタンド付き!

これぞまさに!「シティーハンター」のパイソンの「決定打」!

いや!俺はどうしてもスウィング・アウトして薬莢が飛び出す快楽に浸りたい!というこだわりの方は、クラウンモデルのパイソンに手を出すって手もある。なにせ今売っているパイソンのガスガンは、すべてカートリッジは取り出せないケースレス式なので。

まず、クラウンパイソンガスバージョン。

これなら、ちゃんとシリンダーを横に振り出し、カートをぱらぱらと落とす。『ゴーゴーヘブン』のOPさながらの感覚が味わえる。

ちょっと薬莢が短く、38スペシャルに見えるのはご愛敬。だけど、比較的「おもちゃおもちゃ」しているクラウンのリボルバーの中では、かなり気合の入った造形となっている。

そして、よりリーズナブルなエアガンのパイソンも用意されているのがうれしい。

これと別売りのエア専用金属カートを入れれば、「実銃感」がハンパない。

おまけにスピードローダーまで別売りされている。「リボルバー使い」の雰囲気に浸れることうけあい!

クラウンのパイソン。廉価さとそれにおつりが十分来る性能。隠れたおすすめだ。

また、クラウンのエアリボルバーとはりあうように、マルイからも「エアリボルバー」として、パイソンがリリースされている。

6インチのバリエーションもあるし、価格もお手頃。

火薬の匂い、モデルガンのコルトパイソン357

でも、やっぱり銃と言ったら火薬の匂い、という方。そしてディテールへのこだわりたい方はモデルガンのパイソンはいかがだろう?

これなら、タナカが決定打だ。

何せ、ペガサスシステム第一段のパイソンから、ずっと「パイソン」に関わってきたメーカーだ。

外見は言うことなし。R-MODELに改良がくわえられた、作動にさらなる改良が加わった一丁だ。

ただ、パイソンに限らず、コルト系モデルガンは、いささかデリケートにできている。丁寧に扱おう。

これら片手に、ぜひ豊かな『シティーハンター』ライフを送ってほしい。