意外と知らない「おまわりさん」の銃。ムック『日本警察拳銃』

「おまわりさん」の拳銃。しげしげと見たことはあるだろうか?いや、無い方の方が多数だろう。だって、そんなもの見なくったって生きていける。

せいぜいが「間違い探し」の些細なピースのように、目立たないグリップをチラ見した、というのがほとんどだろう。
実際に、今「警察の拳銃」というと、「5連発のちっちゃいリボルバー」ね。
そういう認識しかしていない方が大勢だろう。
それもそのはず。警察の拳銃については、公然と詳細が書かれた資料・発表は出回っていない。

今回は、そんな「国家機密」(?)に詳細なスポットを当てた本。
『日本警察拳銃』(ホビージャパンMOOK)だ。

冒頭から、「M360 SAKURA」を筆頭とする、S&Wで、一番小型な、Jフレームリボルバーに触れているのに、ウンウンと頷く。
刑事ドラマから、特撮まで、やっぱり制服のおまわりさんが構えるのは、「豆鉄砲」小型リボルバー。そういうイメージ刷り込まれている。
M36、通称「チーフスペシャル」はもちろん。その派生型である、軽合金を使ってできた「M37・エアウェイト」から、

最新のチーフスペシャル進化系、S&W、M360日本仕様の「SAKURA」まで。

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日本警察に使われていない、チーフスペシャルの「派生形」にまで触れつつ、詳細な歴史から性能。こぼれ話まで語っているのがイイね!

そしてニューナンブM60も紹介されているのだけど、実はこれが謎に包まれている。
本書によれば「ある時期から、取材不可能となり、現在に至っている」そうだが、実際に、トイガン界でも、例えば「チーフスペシャル」改造で作ってみたり、別の名前で発売されていたり。

「公式にガンメーカーからの設計図」を受けて作られた「これぞ完璧!」なものは無い。
それでも、限られた資料の中「前期型」「後期型」について、ここまで詳細に調べ上げたスタッフに脱帽!
加えて「ニューナンブ」は、命中精度がいい、というのはご存じだろうか?
メディアなどの扱いで、「通行人A」みたいな扱いの警官が使う、というイメージとともに「しょぼいんじゃないかなぁ」という印象を持たれがちな本銃。
実は、「自信満々で来たS&Wのスタッフが、ニューナンブの命中精度の高さに言葉を失った」というエピソードが紹介されている。
さすが「産業大国」日本!

同様に、「敗戦後」の銃器不足を補うために使われた銃器。
例えば、コルトM1911。そして同じく、45口径を使うリボルバー。S&WM1917に始まり

コルトのコンパクトオート傑作、32オートから25オートまで。

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そして、現在では、例えば、『SP』シリーズに『はぐれ刑事純情派』などなど、「現在の刑事ドラマ」で定番なSIG SAUERのコンパクトオート。
P230JP。

ベレッタのバーテック


そして90-Two。

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そしてP2000。

「反」銃社会なニッポンだけど、実に多彩な銃を使っていること!

個人的には、S&Wの、比較的古くないコンパクトオート、M3913が使われていることに仰天した。
加えて、麻薬取締官が使う、ベレッタM84も、PPKやP230を抑えて、高評価が下されているのもいい。


ベレッタM92Fを、ダウンサイジングしたようなあのフォルムがたまらない。

と、いう具合に、それぞれの銃の歴史まで学べるうえに、うんちくが面白い。
たとえば、ワルサーPPKは、そのトリガーの重さから、採用されなくなったのではないか、という仮説。

日本が誇る監督、黒沢明の『野良犬』

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物語のキーとなった銃はコルト25オート。

あるいは、日本の警察が「五発」にこだわる理由。
あるいは「あさま山荘事件」など実際の事件とのかかわり。
そして、警察の発砲についての法律。

かなり「具体的」なケースが想定されている。
ということは、逆に「撃つ機会が厳重に限定されている」ということ。
ガンアクション好きにとって『西部警察』やら『あぶない刑事』が、いかに天国なことか! がつくづくわかる。

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あるいは、実は「和製ショットガン」メーカーとして有名なミロクが、スナブノーズを作っていたこと。
加えて、実は「警察官」以外にも、拳銃の携帯が許される職があるのはご存じでした?

詳しくは、本書を読んでもらうして、しかし、日本警察の拳銃は、本当に機密となっているらしい。
例えば、日本警察の顔役であるニューナンブさえ詳細不明だし、「コルト・ディテクティブスペシャル」も利用履歴は詳細は不明のまま。

などなど。

しかし、ここまで緻密に「詰めている」本は、このムックしか知らない。 
加えて、銃器紹介の枠を飛び出しているうんちくも面白いしためになる。
「和製刑事ドラマ」好きな方には、鑑賞の一助として手元に置いてもらいたい。そんな本だ。


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