次元が愛した「スナブノーズ」!? M19 2.5インチ
日本が誇る世界最強のガンマン。
ルパン三世の、いや世界最高の相棒。次元大介。腰にはもちろん、S&WM19。コンバットマグナム「4インチ」
「4インチ!?」
実は、次元大介は、2.5インチバージョンを使っていたこともある。原作・モンキーパンチ。作画・山上正月バージョンである。
ルパンも現代化の波に押され、「ワルサーP99」などという最新のワルサー・モデルを使っていたが、次元はなんとまあかわいらしい2.5インチモデルだ。
命中精度が悪い。排莢桿が短すぎてとっさの時に空薬莢が引っかかる恐れがある。何より次元のウリ、「ハードボイルド」に合わないではないか!?
しかし、それにも関わらず、相変わらず次元は元気に排莢し、今日も百発百中。
短いことで、逆にマグナムらしいバレルの太さ。精悍さが強調され、そして、きゅっとメリハリがついた曲線で構成されるグリップ。これが何とも、パグ犬のようで愛らしすぎる。
4インチとは、似てるようで全く異なる雰囲気だ。「スナブノーズ」になったというだけなのに!
やはり、短い銃身のリボルバー。通称「スナブノーズ」は、何か魔法がかかっているとしか思えない。
スナブノーズ、そしてM19 2.5インチの魅力
リボルバー。その中でも「スナブノーズ」派は根強い。
探偵、身分を隠しての調査には、そんなにかさばる武器は持っていけない。
というわけで、「探偵」「警察」ストーリーなら、数発でカタが付き、絶対に作動不良が起きづらい、主人公の必携アイテム。
それがスナブノーズだ。
M19のスナブノーズなんていうのは、定番中のド定番。マグナム・リボルバーのスナブノーズ代表格だ。
Kフレームという、チーフスペシャルに次ぐ小ささのボディに込められる弾丸は六発。
チーフスペシャルよりも、一つ多い。一発が運命を分けるかもしれない銃撃戦で、ホットなこれを選ぶプロフェッショナルも多い。
実際に警察、探偵、FBIから民間の護身用まで幅広いニーズをカバー。
その中でも、M19・2.5インチが「心底スナブノーズだな。」と思わせるのが、グリップ後部。
4インチなどの長い銃身と比べて、後部が丸く削られている。この形状は、通称ラウンドバットと呼ばれている。
少しばかり握りにくいという人もいるが、ポケットの中に潜水艦のように収まる。
携帯性第一に考えてあるスナブノーズリボルバーだからこその気遣いだ。
で、実際、4インチなどの角ばったグリップ尻に比べると、実にキュート。丸まったお尻は、まるでミロのヴィーナスのような曲線美にあふれている、というのは言い過ぎか?
一方、これまた357マグナムの代名詞、「コルトパイソン」と比較するとよくわかる。
M19の方がコンパクトだ。
というのは、パイソンの方は「ただ銃身を短くしました」というだけで、グリップのフレーム形状はそのまま。
となると、見慣れたオーバーサイズのグリップが付くのだが、どうも尻がでかく感じてしまう。
その辺、手の中にジャストなサイズの丸いグリップは、実にジャストフィットだ。
何より、あの「チーフスペシャル」のキュートなお尻の雰囲気が再現されている。
しかも、グリップもラウンドフレームならではのものが各種出ている。
これがまた、小柄美人ぞろい。いかめしいノーマルサイズとは違い、どれもこれもグラマラスな美女を彷彿させる。スナブノーズ好きなら、ぜひとも押さえておきたい。
加えて、命中精度。
最近の技術では、実は6インチも4インチも、果ては2.5インチも同程度に当たる、ということをご存じだろうか?
ただ、銃の先にあるフロントサイトと、後部のリアサイト。この距離が短いので、遠くにある照準は合わせにくい。
そこで、レーザーサイトを使えば、普通のサイズのリボルバーと同じ性能が期待できる。これが昨今の流行。
しかし、そこは次元大介。そんなものなくても、しっかりと当てるのが次元流だ。
細部まで再現、モデルガンのM19 2.5インチ
では、トイガンで「次元」モデルの2.5インチとなると、コクサイのM19がぴったりだ。
グリップチャンネルが付いた、独特の曲線美が美しいあのグリップ。これを再現してあるのが、コクサイのM19。モデルガンだ。
特に、スタンダードのものは、次元のものと同一で、ラバーグリップを模したものであるのが嬉しい。
内部メカニズムまで再現されたコクサイ。さすがは「リボルバーのコクサイ」と呼ばれただけあることが実感できる。
弾が出る、エアソフトガンのM19 2.5インチ
じゃあ、弾が出るエアソフトガンは?というと、東京マルイかタナカしかない。マルイのものは残念ながら生産完了してしまったが、今ならまだ手に入るようだ。
どちらも、ケースレスで、「カートをかちゃかちゃ出して入れて」というリボルバー使いの儀式は味わえない。
その代わり、装弾数は、マルイのが24発、タナカのが13発、というリボルバーのキャパを超えすぎだろ。という豪華仕様だ。
マルイのものは、群を抜いた命中精度。魔法のように弾丸がワンホールに!というだいご味が味わえる。加えて、別メーカーが出しているカートリッジを使って、実弾仕様気分を味わえるのもミソ。
ただ、グリップ形状。スクエアバットを2.5インチでも採用しているので、どうしても少し「コレジャナイ」感はぬぐえない。
その点、タナカは、本物のフレーム内部メカを再現しているので、ラウンドバットもバッチリ。モデルガン用、実銃用グリップバッチリ来い!
なんだけど、カートリッジはどうしても使えない。加えて、少々着弾にクセがある。それさえ目をつぶれば、質感、再現度はピカ一。
どうしても「次元仕様で、弾が出る2.5インチが必要だ!」と贅沢なアナタ。もう絶版となったコクサイのガスリボルバーを買うしかない。
ただし、これは旧型は恐ろしく飛ばない。5メートルもいかずに弾が落ちてしまう。「スナイピングシステム搭載」と記された、なるべく新しいバージョンを買うしかない。
どっちにしても、「コクサイ」のガスリボルバーの道は険しいので、少々覚悟してほしい。
ただ、試練を乗り越えてゲットした先には、「なるべく本物を再現したメカニズム。」何よりも、5メートルくらいなら空き缶に当たる命中精度、排莢桿を押してカートが落ちる、この感動を味わえるのは、コクサイのM19・2.5インチのみだ。
いろいろ書いてきたが、とにかくスナブノーズの美しさをぎゅっと詰めたような存在。それがM19の2.5インチだ。
とにかくどれかしらを手にしてみてほしい。どうして次元がこの銃に切り替えたかわかる。
M19の精悍さはそのままに、迫力と愛嬌を両立させた「美しい銃。」それがこの銃だからだ。