カート式ポケットリボルバーの快楽。マルシンS&W M49(リニューアルバージョン)
エアソフトガンのリボルバー、最近ではカートを持たないケースレスが多くなってきた。ケースレス押される一方、「カート式」リボルバーと言えば、今やマルシン。
モデルガン、いや、実銃のように、カートリッジを込めて、撃ち終わったらシリンダーを押して、排莢。カートがパラパラと落ちる。
一昔前「リボルバー」と言えば、このカート式が主流。コクサイ、そして、タナカさえも作っていたのだけど、今や「六連発」は流行らないのか?
今や、ほぼマルシンの独壇場となっている。
初めて業界に「ガスリボルバー」M29シリーズをリリースして以来、「カート式」にこだわるマルシン。その着実な進歩に、ついていく信者だっている。
2020年5月のこの度、その小型リボルバーに決定版が出た。
それが新型S&W。M49シリーズ。通称「ボディガード」だ。
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S&W M49とは
M49の実銃。それは護身用リボルバーのベストセラー。M36シリーズ。通称『チーフスペシャル』のバリエーションの一つ。
S&W社最小のフレーム。Jフレームを採用。弾数も5発に据え置き、徹底的に「護身用」に徹したチーフスペシャルは、世界中で大ヒットした。
さらに「どうせポケットの中に入れて携帯するのなら、抜くときにハンマーが引っかかるのをなんとかしたい。」
実際に、ハンマーを覆い隠すグリップも市販されていたのだが、フレーム自体で隠してやろうとしたのが、このM49。
ハンマーにあたる部分に沿って、ちょうど山なりのように盛り上がってハンマーを露出させない独特のスタイル。「猫背」とか「肩をいからせた」チーフスペシャルと比喩されるように、丸っこいリボルバーがさらに丸くなってかわいい。
「ハンマーを露出させない」というコンセプトでは、同社でM40センチニアルという銃もあるが、これでは撃鉄を直接起こせないので、シングルアクションができない。
ボディガードでは、シングルアクションも決められる。
これで精密な射撃をするシチュエーションにも対応。
この仕様がウケて、これまた世界的なヒットを飛ばしている。
メディアでも、TVドラマ『あぶない刑事』でも、タカさんがバックアップ用にM49を使っていたり
ゲーム『バイオハザードRE:2』でも、ヒロインクレアの初期装備となっている。
番外だけど、『ジョジョの奇妙な冒険』第五部でも、スタンド使いのガンマン、グイード・ミスタが似た雰囲気の銃を使っている。ただミスタのは六連発だが。
旧バージョンのと比較
この人気を受け、マルシンはM49も作ってはいた。
30年以上前からチーフスペシャルを作っていたマルシン。しかもカート式だ。短銃身リボルバー、すなわちスナブノーズ・ファンなら必携の一丁だったが、そのバリエーションの一つとして、M49が作られた。
これもホップを投入されるなど、小改良は加えられた。が、チーフスペシャルの様に8mmBB弾化、Xカートリッジ化されることもこれまではなかった。
それがこの度新規に設計された。
実際に撃ってみると、癖はあるけど「使える」リボルバーになっている。
カートは、「最高のリアルさ」を目指して作られたXカート仕様なので、6mmBB弾が使えるし、シリンダーにモデルガンのカートが入るというのもお得な気分。
旧作のM49と比べてみても、命中精度もパワーも雲泥の差。
悪いことは言いたくないが、旧作は「発射機能はおまけのモデルガン」という感じで、ヘタをこくと5m先のマンターゲットにも当たるかどうか怪しいものだった。
詳しいマニアからすると、「シリンダーの中心線と銃身の中心線がずれている」と酷評されていたシロモノ。
しかし、新作M49は違う!
マルシンS&W M49 リニューアルバージョン
まともに狙える命中精度とパワー。一時期、カート式リボルバー最高の名はコクサイ・リボルバーだったが、それさえ凌ぐ。
マルシンのリボルバーの恒例なのだが、引き金がかなり重いのが難点だけど、アタリが取れてきたら、もっとスムーズに動くと思う。
M29クラッシックの頃から、「使える」カート式リボルバーを生み出そうとしている気概が感じさせられるマルシン・リボルバー。
8mm仕様のM36の頃から、スナブノーズ・ファンも刮目して見ていたのだが、それが6mm仕様Xカートリッジとなり、そしてこの度のM49だ。
独自のカスタムリボルバーを作り出したり、M29、そしてM10さえもリニューアルしてリリースしたりする。気合が入ったラインナップに、信者は目が離せない。
しかも、ブラックモデルには、通常のABSモデルだけではなく、重量感が増したヘビーウェイト。ステンレスモデルを再現したM649。おまけに、渋い木製グリップ付属版も選べる至れりつくせり仕様。カートも5発、おまけで付いてくる。
同じく「使える」M49としては、タナカのものもある。
確かに、ペガサスシステムによるパワーの安定性、装弾数はタナカに軍配が上がる。
しかし、ここは、「六連」ならぬ五連発の美学。
ケースレスのタナカM49とは違い、シリンダーを開け、一発一発入れていくカート式とでは、一発の重さが違う。
相棒として、あなたのポケットに「引っかからない」スナブノーズはいかがだろうか?