カテゴリー別アーカイブ: 映画

今時のマグナム – IMI デザートイーグル

「マグナム」というと、連想する銃で、はっきりとおっさんか、そうでないか分かってしまうのではないだろうか。70年代、ガキ世代だったおっさんなら、バカでかいリボルバー。そして今の世代なら、オートマテック・マグナムの『デザートイーグル』だ。

そう、デザートイーグルというのは、「マグナム・オート」に革命をもたらした。マグナム弾がオートで撃てる。というのは、おそらく有史以前からの漢の夢、というのは、いくらなんでもオーバーだけど、やはり銃に関わるものにとって、捨てがたい夢なのだろう。実際に、オートマグを皮切りとして、「ウィルディ」「グリズリー・ウィン・マグ」など、ちょこちょこ銃砲史に登場している。

しかし、デザートイーグル以前では、作動不良が多く、特に、オートマグは、「オートジャム」(ジャム=弾詰まり)とあだ名をもらうほどだった。というのが、みなさんはとっくにお気づきになっているかもしれないが、マグナムはリボルバーが多い。その理由は、構造が単純で、その分壊れにくく、強化しやすいからだ。

しかし、オートではこうはいかない。何せ、銃の上半分のスライドが後退し、なおかつ薬莢をはじき出し、スライドが戻って、次の弾を装填する。映画なんかではごく当たり前に目にするオートの発砲シーンだが、文字にすると、リボルバーと比べて複雑な作動をしているのがわかる。となると、当然、リボルバーに比べ、オートマティックの方が、部品点数は多くなる。部品が細かくなると、マグナムの強烈な反動に耐えられる強度が確保できない。

さらに、マグナムという特別強力な弾に対応するため、発射時に対応する高圧ガスに対応するために、同じく強力な弾を使う自動ライフルと同じ、ガス・オペレーション・システムを入れるのが一般的。だから、不必要に大きくなったり、機構が複雑化したりして、いわゆる「まともに撃てる」マグナム・オートは作るのが難しかった。

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『ダーティー・ハリー』とマグナムシンドローム – 銀幕のマグナムとのその周辺

「ダーティー・ハリーと、そのマグナム」が引き起こしたマグナム・ブームは、止まるところを知らなかった。マグナムを抱えた名物刑事、ヒーローの図は、様々な形でオマージュされた。

とりわけ有名なのが、チャールズ・ブロンソン主演の『狼よさらば』ではないだろうか?

主役のブロンソンは、今でも人気が高く、みうらじゅんと田口トモロヲの音楽ユニットに、「ブロンソンズ」なる名前が使われたり、みうら氏もリスペクトが高く『ブロンソンならこういうね』(ちくま書房)という本を出したりしている。

あらすじは次の通り。

「ただの変哲のない普通人。ポール・カージーを襲った悲劇。
妻と娘に囲まれて・・・というささやかな幸せは、まるで不慮の事故のように、三人組の強盗に殺されてしまう。

その日から、カージーの運命は変わり出す。最初は臆病に、通り魔的に「目についたチンピラ」をやってしまう。凶行の直後、彼は一気に吐き戻す。

このリアルさがなんとも言えない、『善良な小市民』の凶行のいたいたしさを醸し出している。しかし、回数を重ねるごとに、その手口は、だんだんと悪党処刑機械みたいになっていき・・・。結局、次々と町のダニどもを対峙していくカージーだったが、ついに敵に巡り合えることはなかった。

しかし、もはや彼には、そんなことはどうでもよかったのかもしれない。そう「悪党処刑人」としての使命に目覚めてしまったから・・・。ラストシーン、チンピラに向けられた狂気の笑顔に、もの悲しささえ感じる・・・。

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「俺が今、六発撃ったか、五発か・・・。」 ダーティ・ハリーとその愛銃たち

今やすっかり、「マグナム」と言えば、デザートイーグルの図式が出来上がっている。あるいは、大ヒットしたホラー・ゲーム『バイオハザード』シリーズの最終兵器か?

しかし、「ヒーロー」=「マグナム」の図式を作ったのは、やはりクリント・イーストウッドではないのだろうか? 

1971年生まれの映画『ダーティ・ハリー』は、古き良き時代・・・男の生き方という言葉がキラキラと輝いていたころの、再びよみがえったカウボーイだった。どんな困難にも負けず、自分の美学を貫きとおすガンマン・・・。「フロンティア・スピリット」そんな言葉が、過去の遺物として忘れ去られようとしたときに、正統派の漢がよみがえったのだ・・・。彼のキャラクターこそが、アメリカをはじめ、世界中に受け入れられた大いなる要因だろう。しかも、彼の手には、「世界最強の銃」44マグナムがあった(トップの写真は.44マグナム弾を発射するスタームルガー社レッドホーク)。

ポンチョからスーツへ、そして、最新の装備でリメイクされたガンマンは、いまだに根強い人気を誇る。

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ルパン三世の車についてのアレコレ。新・旧フィアット500

2014年に公開された、実写版映画『ルパン三世』。評価は様々だったが、娯楽映画としては楽しめたと思っている。

内容はさておき、『映画泥棒』とタイアップしたり、宣伝、アトラクションは多彩だった。特に、ルパンの愛車、旧フィアット500を作っている自動車メーカー、フィアット社直々に、ルパンとコラボCMもしていた。


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銭形警部の愛銃コルトM1911、100年生き抜く名銃の魅力

ルパン三世を語る際、次元、五ェ門、不二子のルパンファミリーに加え、忘れてはならない宿命のライバルがいる。銭形警部だ。

ルパンのいるところ、必ず銭形あり。
ファーストシリーズでは、ルパンを死刑台に送ることが夢なのに、実際に捕まえると
「まるで、警部は、ルパンに脱獄してもらいたいみたいですな。」
と看守に言われるほどの動揺を見せたりする。

というか、今やすっかりルパンファミリーの一員としての待遇に甘んじているような銭形警部だが、原作の・・・そして劇場版ルパン三世『DEAD OR ARIVE』のハードボイルドな銭形警部もいい。

しかし、アニメ版のドジな銭形にも、原作版の渋い銭形警部にも、腰にぶら下がっていてもらいたいものがある。それはやはり、コルトM1911。通称ガバメントモデルだ。

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ワルサーPPK/S – ワルサー社のもう一つの雄

ワルサー社のもう一つの雄、ワルサーPPK/S。

PPK/Sというのは、PPKのグリップを伸ばしたもので・・・そもそも、近代ダブルアクションオートの祖になるPPシリーズの末裔・・・。などど野暮な説明をするのはなしにしよう。

世界一有名なスパイ、ジェームズ・ボンド氏の愛銃で、おかけでワルサー社も現在まで生産を続けてる。PPK/Sの偉大さを語るには、これだけでいいだろう。
P38はとっくに、カタログおちしてるというのに・・・。

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ワルサー社の現在のハンドガンの主役 – ワルサーP99

1980年代中盤のグロッグの大ヒットによって、軽くて丈夫、なおかつ低コストなポリマー・フレーム・オートが一躍脚光を浴びることとなった。
おかげで、各社一斉にポリマー・フレームの銃を作り出した。P99も、そんなブームの中、産声を上げた。

初めてみた印象は、お世辞にも美しい銃とは言えなかった。それどころか反対だ。

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